認知症介護の注意点:⑥運動をするとき

この記事の目次
  1. 認知症と運動の関係は?
  2. どんな運動をしたらいい?
  3. 運動をする際にどんなことに注意したらいい?

認知症と運動の関係は?

年齢を重ねることにより、筋肉や活動量が減り、歩くのが遅くなる、疲れやすいなどがみられます。特に、高齢者は、視力の低下、視野が狭くなる、身体のバランスを取るのが難しくなるなどの原因から、転びやすくなります。その結果、転倒により寝たきりの状態に至る場合もあります。

特に、認知症の人は、記憶障害、見当識障害や判断力・理解力の低下がみられます。そのため、思うように身の回りの動作が取れなくなり、筋力が低下する、関節の動く範囲が狭まる、心臓や肺の機能が低下するなど身体機能の低下が起こり、ますます日常生活を送るのが難しくなります。

しかし、認知症になったからと言って、全ての機能が低下する訳ではありません。認知症の進行を遅らせるためにも、運動を行うことで、身体の機能を維持することが大切です。

どんな運動をしたらいい?

認知症の人の場合、他者から身体を動かされることに対して不安を感じる場合が多いと言われています。そのため、音楽やリズムに合わせて身体を動かしたり、散歩やレクリエーションの動作に運動を取り入れてみましょう。

また、介護保険により通所リハビリテーション(デイケア)や訪問リハビリテーションを利用して、理学療法士や作業療法士がその人に合ったリハビリテーションを行うサービスもあります。詳しくは、ケアマネジャーに相談してみましょう。

運動を行うことにより、脳の活性化を促すと言われています。特に、認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)の時点で、運動を行うと、認知症の発症を遅らせる場合があると言われています。

MCIの人の場合、有酸素運動と無酸素運動を行いましょう。有酸素運動とは、無理なく20~30分程度続けられる運動のことを言います。有酸素運動は、体脂肪を効率よく燃焼させる効果があります。1回20~30分程度を週に2~3回を目安に続けていきましょう。

また、無酸素運動とは、筋トレのように瞬間的に強い力を出す運動です。無酸素運動は、筋肉を増やす効果があります。そのため、身体を動かしていないときに使われるエネルギー量(基礎代謝量)が増えるため、太りにくい身体になります。両方の運動を取り入れてみましょう。

その他、ウォーキングや筋トレをしながらしりとりをしたり、ステップを踏みながら手を叩くなど一度に2つ以上のことを行う方法も効果的です。最初は慣れないかもしれませんが、短時間でも継続することで、脳を刺激することにつながります。

運動をする際にどんなことに注意したらいい?

認知症の人に無理強いしてはいけません。嫌な感情が残り、その後運動を嫌がる場合もあります。また、寝返りをうつ、起き上がる、座る、歩くなどの日常の動作も運動と捉えて、ご自身でできる部分は、時間がかかっても見守りましょう。自立を促すことも大切です。運動の機会を奪わないようにしましょう。



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