認知症介護の注意点:②下着や衣服への配慮

1. 下着・衣服に特別な配慮が必要か?

加齢に伴い体温調節機能も低下してくるので、衣類の選択はより重要となってきます。

厚着することで、体をうまく動かせず、事故につながることも考えられます。また、認知症が進み、夏着や冬着などの感覚がなく、何枚も重ね着したり薄着をしたりすることもあるため、衣類への配慮はとても大切です。室温・運動能力・身体状況などを考慮して適切な衣類を選択しましょう。

2. 着替えは自分でする習慣をつけたほうがいいか?

自分で着替えをする習慣を持っていらした方がうまく出来なくなった場合は、残存能力を見極める事が大切です。

その人の持っている能力を最大限に利用して、できるところから始めます。予め着脱し易いように工夫し、やさしい言葉でゆっくり声かけをして、高齢者のペースに合わせて一緒に行ないましょう。毎回行なっていると習慣を思い出す場合が多いです。

3. 一人で着替えができない

出来る事を探して、出来る所はやっていただき、出来ない所を手伝うようにしましょう。

たとえば、着る物の選択はできない方でもボタンをかけることができれば、ボタンかけはやっていただいたり、袖を通すことしかできない方は、ボタンの無いセーターやトレーナーを選択するという配慮が必要です。

4. 何枚も重ね着し、注意しても脱がない

認知症の高齢者が冬でも夏でも何枚も重ね着するのは単なる厚着とは違います。

服の着方がわからなかったり、寒暖の判断があいまいな事もありますが、「冷えて風邪をひくかもしれない」など、根底には高齢者の物事に対する心配や用心深さがある場合もあることも知っておきましょう。日頃から高齢者に安心感を与えるような対応をすることが大切です。

5. 同じ服ばかり着る

高齢者の中にはいつも同じ服ばかり着て、着替えさせようとしても他の服を着ない人がいます。

認知症の高齢者は、気に入ったものや行為は容易には変えられません。「いつもと同じ」は高齢者に安心感を与えるからでしょう。全く同じ服を数枚用意する事で着替えが可能になる事もあります。

6. 服を脱いでしまう時は?

必ず何らかの理由・原因があるはずです。

まずは、原因をつきとめるため観察することが大切です。たとえば、その場所がお風呂だと思って脱がれる方には、お風呂場に温泉風の暖簾をかけて、場所を覚えていただいたり入浴時間を伝えるなど工夫したり、家にいる時に下着で過ごしていた方は、無理に服を着せようとせず、室温で調整するなど、その方にあった工夫が必要です。

7. 着る順番がわからない時は?

上着の上から下着を着たりするなど 着る順序がわからない場合があります。

そのような時には着る順番に重ねてたたんでおいたり、声かけをしながらひとつずつ渡しましょう。また、着る順序が違って不恰好な時は鏡の前に連れて行き「こうした方が似合いますよ」等と自分の姿を見せながら 一緒に直してあげましょう。

8. お年寄りにとって着脱のしにくい服とは?

手の麻痺や障害がなくても高齢者にとっては服の着脱は難しいものですが、頭からかぶる衣類は前後ろの区別がつかず着脱しにくいといえます。

後ろと前がわかり易いように後ろのところに表示札に「名前」などを書いてわかり易くしましょう。また、前開きの服であっても、手先の細かい動きが困難となるため、小さなボタンやファスナーも難しいようです。小さなボタンは大きめに、ファスナーはマジックテープにする等の工夫をしましょう。

▼認知症QA270問「認知症介護の注意点」の他のQAを見てみる 認知症介護の注意点:①食事を食べさせるとき 認知症介護の注意点:③排泄のときの注意 認知症介護の注意点:④入浴の配慮とコツ 認知症介護の注意点:⑤睡眠時に配慮すること 認知症介護の注意点:⑥運動をさせるとき 認知症介護の注意点:⑦介護への不安や疑問

▼「認知症QA270問」の他のカテゴリを見る 発症から診断まで 認知症高齢者への接し方 認知症の予防と治療


このページの
上へ戻る