認知症の予防と治療:②セラピーとは?

1. 病院や施設でおこなわれるセラピーは?

病院や施設で行なわれるセラピーには次のものがあります。

回想療法、リアリティ・オリエンテーション、音楽療法、作業療法、運動療法、アニマル療法、化粧療法等です。 最近では認知症緩和ケア理念に基づくタクティールケアを取り入れているところもあります。

2. 回想療法とは?

残されている長期記憶を活用し、健やかな生活を送る事を目指して行なわれる精神療法です。

病院や施設では、グループ数名で共通する話題を選び思い出を語り合う回想療法が行なわれています。効果としては、気持ちを和ませ、感情を安定させる、話をする事で孤立感や孤独感を癒し、楽しい時間を過ごして頂くことより、精神面や行動面での安定が得られます。又、個人に対しては、情緒の安定と人生の統合を目指すアプローチとして行ないます。

3. リアリティー・オリエンテーションとは?

今日は何日なのか、季節は何時なのかといった時間や、今いる場所が分からないといった見当識障害を解消するための訓練で、現実の認識を深める事を目的とします。

日常会話の中で季節や時間や日にちの質問を繰り返し、日常の生活の動作を共に行うことで 残存能力に働きかける事で認知症の進行を遅らせるような療法です。例えば朝食を作っている時に、朝起きておみそ汁を作りながら、「朝は忙しいわね」と声をかけをして、朝の時間を認識していただき、さりげなく行うようにします。

4. 音楽療法とは?

音楽療法とは「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」(日本音楽療法学会の定義)の事です。

昔の歌を歌うことで、回想や見当識への効果を持ち、何よりも音に合わせて体を動かすことが情緒の安定に大きな効果があるとして評価されています。

5. 作業療法とは?

園芸、手芸、工芸などの創作、生活動作の訓練を通じて、機能回復や機能低下の予防を図る事です。

食事や洗面などの日常生活動作の訓練など生活の中でできるものや、楽しく興味がわくものを選びましょう。口に入れる可能性も考慮し、材料・道具は危険性のないものを選ぶなどの安全面への配慮が必要です。

6. 運動療法

認知症に対する運動療法は、障害された大脳皮質の部分や疾患の度合いにより、個々に程度が異なります。

個別のプログラムを生活動作の中から、寝返り、起き上がり、別途の移動などの起居動作と散歩などの移動動作を自然に出来るよう工夫しましょう。寝たきり状態にある方にも、「座った生活」を目標とし、座る事でバランス機能や心肺機能が向上しますので、食事の時は座っていただくようにして日常生活の中で楽しみの一つとしてできるように配慮しましょう。

7. アニマル療法とは?

アニマルセラピーともいい、ペットと交流する事で得られる刺激が、生理的・身体機能的・心理的・社会的効果をもたらす事を期待して行なわれる療法です。

動物を通して話しかけたり、触ったり、一緒に散歩する事で、自然と行動範囲が広がり、何よりもかわいいという気持ちが刺激となり、充実した一日を過ごして頂くことが一番でしょう。

8. 化粧療法の効用

化粧療法は ただ単に化粧で変化をつけて喜んでいただくのではなく、化粧や装いをきっかけに心を動かしていただけるような『心身を動かせるコミュニケーション術』であることです。

お化粧後は女性でいることを意識して、いつもより若返った自分に対して 服を着替えたくなるなど生活に張りが出て生き生きされていらっしゃいます。

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