認知症の予防と治療:③介護施設を選ぶとき

1. お年寄りの身体状況による介護の限界は?

施設において医療部分が多くなった場合は、病院にて看護していただきます。

認知症の高齢者は、自分で健康状態を管理する事ができないので身体状態の悪化を起こしやすい特徴があり、発見が遅れ重症化しやすい傾向にあります。

2. 癌などの手術が必要になったら?

認知症の高齢者が手術や入院といった大きなストレスから、これを契機に寝たきりなる可能性があります。

手術のメリット・デメリットをきちんとご本人やご家族ともインフォームド・コンセントをうけ、納得するためにもセカンドオピニオンなど利用しましょう。

3.介護上の困難や家庭の事情による介護の限界は?

家族でケアするという気持ちはありながら、認知症が進んで対応が難しくなり、介護者が心身ともに疲れ病気になったり、転勤・家族の病気等が介護の限界となる場合が多いようです。

家族の事情は、介護者と高齢者の関係が良好でない場合、家族の協力が得られない場合、介護者が仕事に就いている場合など一様ではないでしょう。1人で悩まず相談しましょう。

4. 家族が施設に抱きやすい思いは?

家族を施設に預けることは、あたかも姥捨て山のような罪悪感を抱きやすく、世間体が悪く、高齢者にとっても不幸なことだと決め付ける傾向があります。

沢山の介護施設を見学して現状を正しく把握することが大切で、その際も本人やご家族の気持ちを伝える事が一番です。施設側も地域との交流を持ち、施設をオープンにして楽しい場であり、24時間の見守りがある安全な場である事を、地域の方にも認知していただくような機会を沢山持つ努力が必要でしょう。

5. どこに相談に行ったらよいか?

市町村や医療機関、介護施設、民生委員など公共の機関を利用することが一般的ですが、最近では、家族の会やインターネットを利用して悩みを相談することも増えているようです。

6. 認知症のお年寄りにとって好ましい施設は?

認知症の高齢者が入院、入居する病院や施設はその高齢者にとってこれから療養する所で、生活する場所でもあるわけですから慎重に選ぶ必要があります。

選ぶポイントとしては、その高齢者の認知症の進行具合や身体状況です。認知症を得意とする施設や重い内科疾患があったり、骨折等をした時等はその施設が専門の医療機関と提携しているかを調べましょう。なによりもご本人様の生活を継続できるように、努力している施設を今生活している地域で見つけられたらいいでしょう。

7. 在宅福祉サービスにはどんなものがある?

介護保険サービスとして、訪問介護、訪問看護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、福祉用具の貸与、福祉用具の購入費支給、住宅改修などがあります。

利用する場合は介護サービス計画書が必要なので市町村の介護保険課などに事前に相談してください。

8. 老人福祉サービスの窓口はどこ?

老人福祉サービスに関する受け付け窓口は各自治体によって異なる場合もありますが、おおむね区市町村の役所、福祉事務所、社会福祉協議会、地域包括支援センター等です。

また、サービスの利用を希望する場合は先ず、各自治体が実施している老人福祉サービスの説明パンフレットを入手して、予め必要とするサービスの確認をしておくとよいでしょう。

9. デイサービスとデイケアの違いは?

デイサービスとは 在宅のご高齢者にデイサービスセンターなどに通ってもらい、日中過ごしてもらうサービスです。楽しく過ごせる場を提供するもので、健康の管理は行ないますが、治療や機能訓練の為ではありません。

一方、医療機関が行なっているデイケアは医療的な管理のもとで医師、理学療法士、作業療法士等の専門スタッフによる各種機能の維持、回復を目的に行えます。

10. 入院か入所かの判断基準は?

認知症の高齢者で急性の身体疾患や入院治療が必要な場合は一般病院が適してます。

治療よりも介護が必要な場合は老人保健施設や特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)やケアハウスや有料老人ホームやグループホームが適しています。

11. 病院や施設の受け入れ状況は?

自治体によって格差はありますが、申し込みから2~4年待ちというのも珍しくありません。

12. 施設や病院を選ぶ時のポイントは?

世間の評判等で決めずに、必ず家族の目で確かめて選ぶことが大切です。

実際に施設内を見学し、介護の現場でスタッフの質を見極め、施設内の臭いにも注意すること、高齢者の表情に笑顔があるかどうか見ること等がポイントです。又いくつかの施設を見比べ、面会時に交通の便が良いかどうかも大切なポイントとなります。 インターネットで各施設のサービス状況がわかりますので、都道府県のホームページで「介護サービス情報の公表」を検索されるのも良いでしょう。

13. 入院・入所費用は?

入院の場合は医療保険の適応となります。

介護保険が適用される場合は、要介護度によって異なり、一割負担と食事代、住居費が基本です。有料老人ホームは各ホームで異なりパンフレット等で確認してください。

14. 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは?

常時介護が必要で家庭での生活が困難な場合に入所する施設です。

要介護者に対して
(1)入浴・排せつ・食事等の介護等の日常生活の世話
(2)機能訓練
(3)健康管理
(4)療養上 の世話
などを行います。

15. 老人保健施設(介護老人保健施設)とは?

病状が安定し、リハビリを中心とする医療ケアと介護を必要とする場合に入所する施設です。

(1)看護
(2)医学的管理下での介護
(3)機能訓練等の必要な医療
(4)日常生活の世話
などを行います。

16. 指定介護療養型医療施設とは?

比較的長期にわたって療養を必要とする場合に入院する施設です。

(1)療養上の管理
(2)看護
(3)医学的管理下の介護等の世話
(4)機能訓練
など、必要な医療を行います。

17. グループホーム

認知症の高齢者が、家庭的な環境のもとで利用者の生活のリズムにあわせて少人数(5人から9人)で共同生活する住まいです。

18. 老人性認知症疾患専門病棟

長期的な療養を必要とする要介護者を対象に精神科医療とケアが行われます。

主にアルツハイマー・脳血管性認知症・器質性障害による精神症状や問題行動の著しい人が対象となります。

19. 有料老人ホーム(特定施設入所者生活介護)

老人福祉法での定義として「常時十人以上の高齢者が入居し、食事の提供、その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設で老人福祉施設ではないもの」と位置付けされているのが、有料老人ホームです。

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