認知症の予防と治療:④健康管理の注意点

1. 片麻痺と認知症があります。リハビリテーションに際してのどんな注意が必要?

片麻痺の程度と認知症の程度により、リハビリの内容は大きく異なります。

認知症の症状と進行具合によってリハビリをしていかなければ事故につながることもあるので、認知症の専門医と理学療法士とともにプログラムを考えていくことをお勧めします。

2. 寝たきりに近い状態です。どんな病気を合併する危険がある?

いわゆる「廃用症候群」ですが、寝たきりによる機能の衰えは、筋肉・骨・関節・皮膚・心臓・呼吸器・消化器・尿路等身体の多くの部分に生じます。

筋肉では筋萎縮や筋力低下を、関節では関節拘縮を、皮膚では褥瘡等をきたすとともに、肺炎や意欲低下、認知症等精神機能の低下も現れます。車椅子などを利用し、できるだけベッドから離れた時間を持てるようにすることが大切です。

3.脳卒中の予防再発の注意点は?

脳卒中は、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病によるものが多く、適度な運動、食事の改善が再発防止に役立ちます。

ウオーキング、ジョギング、自転車、水泳などの有酸素運動を継続して行うこと。塩分を控えバランスの取れた食事をすること。また、喫煙、飲み過ぎ、過労・ストレス、睡眠不足も避けるべきでしょう。急激な温度変化は、心臓の負担になるか血圧の急上昇を引き起こし脳卒中発症の引き金になることがあるので注意しましょう。

4. 夜間に排尿の回数が増えた?

高齢者には夜間の排尿回数が増える人が多くみられます。

夜間頻尿の場合で排尿の度に尿量も多い人は就寝前の水分の摂取量が多いか、糖尿病、腎臓病等が考えられます。また、尿量が少ない場合は膀胱炎、前立腺肥大等が考えられます。しかし、夜間不眠からトイレに行く事もあるので、この場合はその高齢者の不眠や不安への対処が必要となります。

5. 常に血圧が高い?

常に血圧が高い人には降圧剤の服薬等の治療が必要です。

しかし、認知症のお年寄りにおいてはいくつかの難しい問題があります。
(1)副作用が出やすい
(2)その副作用の症状をうまく訴えられない
(3)服薬を規則どおりに守れない
などです。また、降圧剤には医師の指示なしに勝手に中止すると危険なものもあり、家族の服薬管理が重要となります。

6. 熱が出た?

特別な症状や訴えがない場合の発熱は普通の若年者と同じように考えても差し支えないでしょう。

しかし、高熱で食事ができない時や熱が続くような時は医師に相談しましょう。 脱水症状や他の病気がある場合も訴えないことがあるので、様子をよく見ておきましょう。

7. 下痢や便秘が続く

食べもの、体を動かしていたか、生活のリズムが狂っていないかなど、生活の状態を観察することが重要です。下痢や便秘等、排便が不調なお年寄は多く見られます。

下剤や整腸剤の服薬で良くなる場合はよいのですが、なかなか治らない場合は注意が必要です。慢性便秘の症状はイレウスや大腸癌の症状とよく似ていますし、下痢も感染性の場合には抗菌薬が必要となります。早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

8. 糖尿病を合併してるときの注意点は?

認知症の高齢者で糖尿病に罹っている人は少なくありませんが、その治療となると、非常に難しいと言わざるをえません。

その高齢者の認知症の程度にもよりますが、薬を飲んだ事を忘れたり、食事をした事を忘れたりする事があります。家族の方が服薬管理をし、食事に関しても食事量の制限等の糖尿病食がある場合や薬でコントロールできる場合もありますので、医師に相談しましょう。

9. 腰痛、骨粗鬆症の対策は?

骨粗鬆症とは骨量(骨元質とミネラル)が減少する状態を言います。

加齢とともに発生し、進行すると骨折しやすくなります。認知症のお年寄はちょっとした事で転倒しやすく、腰痛があればなおの事その機会は増えるでしょう。したがって、対策としては転倒予防が必要です。床面を滑りにくいものにし、段差をなくしたり、手すりをつけたり、足元をライトで照らすなど、住環境の整備をしましょう。

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