認知症高齢者への接し方:⑤レビー小体型認知症の人の対応

この記事の目次
  1. レビー小体型認知症の人に現れやすい症状とは?
  2. 幻覚とは?
  3. 幻視が見えている時の対応は?
  4. 妄想が現れた時の対応は?
  5. 表情が乏しい、なんとなく元気がなくなってきた?
  6. パーキンソン症状とは?
  7. 睡眠時の行動異常とは?
  8. 認知機能が変動するとは?

レビー小体型認知症の人に現れやすい症状とは?

レビー小体型認知症とは、レビー小体というたんぱく質が大脳皮質全体に現れ、神経細胞に溜まると脳を萎縮させます。また、レビー小体が脳幹という部分だけに現れるのがパーキンソン病で、大脳皮質全体に現れるのがレビー小体型認知症です。

レビー小体型認知症の人に現れやすい症状は、幻覚(特に幻視)や妄想、表情が乏しい、パーキンソン症状(動作がゆっくりになるなど)、睡眠時の行動異常、認知機能が変動する、などがあります。

また、レビー小体型認知症の特徴として、アルツハイマー型認知症とは異なり、もの忘れが目立たない場合があります。

幻覚とは?

幻覚とは、実際に存在しないのに、存在している印象を持つ体験のことを言います。見えないものが見える幻視、聞こえないのに聞こえる幻聴、味を感じる幻味や臭いを感じる幻臭などがあります。特に、レビー小体型認知症の人は、幻視がみられます。ただし、レビー小体型認知症の場合は、全員に幻視が見えると言う訳ではなりません。

例えば、「子どもが庭で遊んでいる」、「さっきまで子どもがいたのに、どこに行っちゃったの?」、「部屋に虫がいるから追っ払ってちょうだい。」など、昼夜を問わず、ありありと子どもや小動物、虫などが見えています。

幻視が見えている時の対応は?

レビー小体型認知症の場合、初期から幻視の訴えが聞かれます。幻視が見えている場合、肯定も否定もしないことが大切です。肯定をした場合、より一層、幻視が進んでしまいます。逆に、「そんなわけ無いでしょ!」と否定すると、「自分の言っていることを否定された」という感情が残り、関係性が悪くなる場合もあります。

例えば、「ねずみが部屋にいる!」と訴えられた場合、落ち着いた声で「そうですか、では一緒に部屋に行きましょう。」とその場所まで向かいます。そして、「ここにいたのですね。今はいませんよ。」と一緒に確認をしましょう。

妄想が現れた時の対応は?

妄想には、もの盗られ妄想、被害妄想、嫉妬妄想などがあります。例えば、テレビに映っている人に話しかけたり、鏡に映っている自分に大声を出したり、つばをかける場合があります。認知機能が低下してきているため、鏡に映っている自分を自分とは認識できないことが原因と考えられています。このような症状は「鏡徴候」と言われ、認知症が進んでくると現れる場合があります。

鏡の中の人間が自分に危害を加えるという妄想からだんだん興奮して、鏡を割ってしまう恐れがあります。このような場合は、安全な場所に移動する、鏡に映らないように幕をする、「大丈夫ですよ、もういないですよ。」と安心する声かけを行います。

また、高齢になると視力の低下や、暗い場所に目が慣れるまでに時間がかかります。その上、見当識障害により時間や場所の感覚が分からない、夜間にトイレに何度も起きるなど様々な要因が重なり、夜間に幻視や妄想を訴える場合があります。

家族としては、「また夜中に騒いでいる」「ゆっくり寝かせてほしい」など様々な感情が生じます。しかし、レビー小体型認知症の人にとって、見えていることが事実であり、否定されると混乱します。対応として、本人が話した内容をそのまま繰り返す、一緒に確認をする、「もういないよ」という安心できる声かけを行いましょう。

表情が乏しい、なんとなく元気がなくなってきた?

表情の乏しさは、レビー小体型認知症の症状のひとつである「仮面様顔貌」によるものです。また、なんとなく元気がないうつ状態も現れます。

パーキンソン症状とは?

先にレビー小体が脳幹に現れるとパーキンソン病と説明しました。レビー小体型認知症でも、パーキンソン病に似た症状が現れます。動作がゆっくりである、前かがみの姿勢、身体が動きにくい、身体が固くなる、転びやすい、手が震える、急に止まれない、などの症状が現れます。

このような症状が現れた場合、運動機能の維持と転倒予防に努めることが重要です。例えば、デイケアや在宅リハビリテーションを活用したり、毎日の生活に散歩や家事を取り入れましょう。身体機能を維持するためにも、日々継続することが重要です。

睡眠時の行動異常とは?

レビー小体型認知症の人の場合、眠りの浅い時間帯に夢を見て、大声を出したり、暴れることがあります。

家族は、夜中に起こされてしまった、何とかして落ち着かせたいと思うかもしれません。しかし、本人にとっては、誰かに追いかけられている、戦っているといった悪夢であり、身体が動いていることへの自覚はありません。そのため、思いがけない力の強さに危険なこともあります。

うなされているのを無理して起こそうとせず、危険な目に遭遇しないように行動しましょう。例えば、距離を置いて声をかけて起こす、ベッドから転落しないように見守るなど、本人の安全と共に家族の安全も守りましょう。

認知機能が変動するとは?

レビー小体型認知症の特徴のひとつに「良い時と悪い時の差が激しい」と言われています。1日の中でも午前と午後の状態が変動したり、数日の周期で変動がみられます。

家族はその変化に振り回されてしまう場合があります。認知機能に変動があることを理解して、支援することが大切です。



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