認知症高齢者への接し方:③徘徊への対応

1. 一日中、家の中をうろうろする?

一日中、家の中をうろうろ歩き回っている高齢者がいますが、その理由はさまざまです。

自分がやりたい事のために歩いている場合があります。介護者はその理由を見つける努力が必要です。例えば「どうされました?」と声かけてみると、夕食の買い物に行くために出口を探されている場合があります。その時は「今晩の夕食のメニューはどうしましょうか」と聞き、どこかに座って話をし、落ち着かれた例もあります。先ず、高齢者が落ち着いて過ごせるように安心感を与え、自宅でも、施設でも役割を見つけてあげる事です。

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2. 一日に何回も出歩き、同じコースを歩いてくる?

転倒や交通事故の危険がないようなコースであれば、自宅に帰ってられるまでは見守るのもよいでしょう。

万が一のことを考え、近所の方にも協力してもらうとなおよいでしょう。

3.雨の中でも履物を履かずに外出する?

いつでも靴を履かずに外出するということは、靴を履くという行為を忘れていることが考えられます。

そのつど声かけをして靴を準備してあげることや、目の前で介護者も靴をはいて一緒に出かけることで、「外出=靴を履く」ということを視覚的に思い出してもらう方法もあります。

4. 目を離した隙に外出して行方不明になる?

近所の人へ説明し、みかけた時は連絡してもらえるように協力を得たり、公共機関等にもあらかじめ協力を依頼しておくとよいでしょう。

そのほか、ケアマネに相談し、デイサービス等のサービス利用も検討するとよいでしょう。氏名や連絡先のわかるものを身につけれると介護者としては安心ですね。ご本人にも「出先で困ったらこれを誰かに見せて」と知らせていくことも有効な場合もあります。

5. 徘徊は認知症の進行で変化するか?

病状が進むにつれて分からなくなる事が多くなるので、そのうち自宅に戻れなくなる場合もあります。

また、何も言わずに外出したり夜中に徘徊を始めたりします。この時に交通事故等が心配となりますので、近所の方に協力を仰いでおきます。認知症専門医に相談しましょう。

6. 夕方になると荷物をまとめ、出かけようとする?

本人の意識のなかには、何か理由があるはずですから、それを根気よく聞いてあげましょう。

自宅であってもご本人が10代の頃に戻っていれば、当時の家に帰ることを望んでいる場合もあります。当時の家があれば行くのもひとつの手です。一周家の周りを回るのもいいでしょう。戻ってきた時は帰宅した事をねぎらい安心した居場所である事を徐々に感じとってもらいます。

7. 徘徊前に何か兆候のようなものはあるか?

徘徊が始まる原因によっても違いますが、落ち着きがなくなりそわそわする事が多いようです。

例えば在宅では昔の職業の記憶が戻り新聞配達であった方なら、早朝からの仕事なのでその時に徘徊する場合もあります。施設の場合では年末年始等の人の出入りが多い時などに気持ちが高ぶり徘徊が頻繁になる場合もあります。

8. 一緒に歩く家族のストレスは?

徘徊する高齢者は交通事故や転倒等の危険があるため、家族が一緒に歩く事が多いようです。

徘徊に付き合う家族にとっては大きなストレスになります。「ダイエットや自分の健康の為」と気持ちを切りかえて前向きになりましょう。ネットワークやITによるシステムの活用も一案です。

9.徘徊をとめたい時の声のかけ方は?

自分の家なのに、「実家に帰る」と言い出した時には、「もう遅いからもう一晩泊まってください」等と言い、無理に理屈で説得しないほうがよいでしょう。

また興奮して聞かない場合は「送っていきます」と一緒に出てしばらく歩いた後にうまく家に誘導しましょう。戻ってきた時は「お帰りなさい」等のねぎらいの言葉をかけて安心感を持っていただきます。

10. 迷子札はどこにつけたらいいか?

徘徊して迷子になった時の為に住所や電話番号を記した名札をつける方法があります。

つける場所は目立たないところは役に立たず、また目立つところは嫌がる場合があるので高齢者の目に触れずに目立つところが良いでしょう。例えば上着の後ろ襟がよさそうです。

11. 徘徊中に注意する事は?徘徊後に注意する事は?

徘徊は高齢者にとってエネルギーを使うものです。

体力を消耗したり脱水症状になる事も有ります。徘徊した後には水・スポーツドリンク・飴玉等を持参しましょう。健康状態を観察する事精神の不安定さをねぎらう事です。

12. 徘徊をなくす手立てはあるか?

毎日同じ時間に散歩する等生活にリズムをつけることで減る事もあります。

また、デイサービスで仲間を作ったり趣味を見つける事でも徘徊が減る事もあります。精神の不安定さが徘徊につながる事もあるので、高齢者が穏やかに生活できるようにしてあげましょう。


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