認知症の予防と治療:⑥地域包括支援センター を活用しましょう
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地域包括支援センターってどんなところ?
介護が必要になった時に「どこに相談していいのか分からない」とおっしゃる方や、「認知症なのかも?どこに受診していいのか分からない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。このような時に相談する場所が『地域包括支援センター』です。
地域包括支援センターは、高齢者の皆さんとご家族が住み慣れた地域で安心して生活できるように、そして、自立した生活が暮らせるように支える相談窓口です。
地域によっては地域包括支援センターという名称ではなく、相談センターなどその地域が決めた名称で運営している場合があります。名称が異なっても、業務内容は同じです。
また、住所によって担当エリアが決まっています。担当してもらうセンターがどこなのか分からない場合は、役所で確認をしましょう。
地域包括支援センターによっては、土曜日は半日開いている施設や、平日は19時まで開いている施設もあり、相談しやすい環境に整えられています。
まずは、電話で相談をしてみましょう。 希望によっては家まで来てくれる場合もあります。
どんな人が対応してくれるのか?
保健師(看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)などがチームで対応してくれます。
保健師は、健康・医療の立場から、社会福祉士は、福祉の立場から、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)は介護の立場からそれぞれの専門性を活かして相談にのってくれます。
どんな相談をしたらいいのか?
「地域包括支援センターに相談するには、介護が必要になってからじゃないとダメなのでは?」と思われていらっしゃる方も多いです。しかし、介護が必要になる前から、高齢者の生活や健康に関することについて相談にのってもらうことができます。
どんな仕事をしているのか?
地域包括支援センターは以下の4つの仕事をしています。
①総合相談支援業務
生活全般の悩み・相談に対して、適切なサービスの紹介や、解決のための支援をします。
例えば…
「祖母が認知症みたい…何をどうすればいいのか分からない。」
「最近もの忘れがひどくて、認知症かも?検査を受けたいんだけど、どこの病院に行けばいいの?」
「父は病院嫌いで病院にかかったことが無いから、かかりつけ医がいない。病院に受診してもらうにはどうしたらいい?」
「介護保険の申請の方法が分からない。誰に聞いたらいい?」
「介護に疲れました…。」
など
②権利擁護業務
高齢者が安心して暮らせるように権利に関する相談にのってくれます。高齢者への虐待の防止・早期発見や、詐欺などの悪質な商売の被害を、関係機関と連携して防止します。
例えば…
「隣に住んでいる奥さんの顔にあざがあるんだけど…虐待?」
「母が悪徳商法に巻き込まれたらしい。」
「成年後見制度について教えてほしい。」
など
③介護予防ケアマネジメント業務
要支援1・2と認定された人に、地域包括支援センターが中心となって、介護が必要にならないように、介護予防ケアプランを作成してサービスを利用することができます。介護や支援が必要となるおそれのある方へ介護予防プログラムの参加を支援します。例えば、健康教室、文化サークル活動などがあります。
例えば…
「今は元気なんだけど、もっと元気でいるために介護予防のケアプランを作ってほしい。」
「趣味が無いから、何かサークルに参加したい。」
「転びやすくなったんだけど、一人で運動しても続かないから、健康教室に参加したい。」
など
④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、一人ひとりの状況や変化に応じて適切なサービスが提供されるように、担当ケアマネジャーへの助言や支援を行います。
また、福祉用具の貸与・購入(販売)の支援を行います。医療機関、福祉用具レンタル事業所などと連携したシステムがとられます。
例えば…
「福祉用具を借りるにはどうしたらいいの?」
いくらかかるのか?
地域包括支援センターの利用料は無料です。
地域包括支援センターとは?業務内容から利用方法まで参考文献:1)厚生労働省.地域包括支援センターの業務.(2019年12月12日アクセス)
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