遂行力とは

人は、仕事や家事をする際に、頭の中でどのように進めるか順序立てをします。このように、何かを成し遂げるために使う力が遂行力です。

ここでは、遂行力が衰えた場合の症状や、遂行力の強化のためにできること、遂行力をチェックする方法、などについて説明します。

この記事の監修
広川慶裕先生
ひろかわクリニック院長
広川慶裕先生
この記事の目次
  1. 遂行力とは
  2. 遂行力が衰えると
  3. 遂行力を強化するには
  4. 遂行力をチェックするには
  5. 他の認知機能についても詳しく見る

遂行力とは

ものごとを計画したり、順序立てたり、効率的に進められるよう優先順位をつけたりと、目的を成し遂げるために必要となる力が遂行力です。社会生活をする中で効率的に行動できるのは、この遂行力が働いているからです。仕事をするときはもちろん、料理など家事をするときにも遂行力が働きます。例えば、野菜を切る前に、包丁とまな板を取り出す、野菜を洗う、野菜の皮をむく、といった具合です。また、単純に何かしら自発的に動くことも遂行力に当てはまります。

遂行力が衰えると

遂行力を働かせているのは脳の「前頭葉」という部分です。前頭葉は、医学的疾患や外傷によって障害を受け機能が低下することもありますが、加齢によって機能が衰えていくこともあります。前頭葉の機能低下により遂行力が衰えると、ものごとを順序立てて行ったり、複数の作業を同時に行ったりといったことが困難になります。前述した料理の例で言えば、包丁とまな板を用意しても、順序立てができないので次に何をしたらよいのかがわからなくなってしまいます。また、ふたつ以上の作業を同時に行えないため、お湯を沸かしながら野菜を切る、といったことも難しくなります。

このほか、携帯電話の使い方がわからなくなる、券売機の使い方がわからず切符が買えない、安全に運転できない、など、遂行力の衰えは社会生活に大きな影響をきたします。 また、自発的に動くこともできなくなるため、誰かに指示されないと行動ができない、といったことも起こります。

遂行力を強化するには

遂行力を鍛えるのに効果的とされているのが、ナンプレ(ナンバープレース)といった数字パズルやロールプレイングゲームです。ただ、これらはレベルが幅広く、遂行力に問題がない人でも難しいものもあります。遂行力の状態に合わせたレベルのものを行うことが効果的です。こういったゲームやパズルがそもそも好きではないという人には、地図や時刻表を使って目的のものを調べるといった方法もおすすめです。今日一日のスケジュールをつくったり、献立を計画したりするのもよいでしょう。

遂行力をチェックするには

認知症ねっとでは、ひろかわクリニック院長広川慶裕先生に監修いただいて、認知機能の簡易チェックを開発しました。認知機能チェックでは、「遂行力」をはじめ、日々の生活で使われる主だった5つの認知機能を簡単な問題でチェックすることができます。チェックは無料で、何回でも受けることができます。

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他の認知機能についても詳しく見る

認知機能の分類方法にはいくつかの種類がありますが、一例として、「記憶力」「言語能力」「判断力」「計算力」「遂行力」の5つに分類する方法があります

「記憶力」とは 「言語能力」とは 「判断力」とは 「計算力」とは

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