判断力とは
判断力は、一般的には「ものごとを決定する力」という意味で使われることが多いですが、年月日や自分の状況を把握する「見当識」や、ひとつのことに集中する「注意力」など、複数の認知機能が合わさったものです。
ここでは、判断力が衰えた場合の症状や、判断力の強化のためにできること、判断力をチェックする方法、などについて説明します。
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判断力とは
判断力はいくつかの認知機能が統合されたものです。その中には、物体の状態や形状を把握する「空間認識」、年月日や今の自分の状況を把握する「見当識」、必要なことに集中する、一度にふたつ以上のものに注意を向けるなどのときに使う「注意力」、ものごとをグループに分けて考える「グルーピング」などが含まれます。
一般的に「判断力」という言葉を使うときには、「私の上司は判断力がある」「あのチームのキャプテンは判断力に優れている」など、ものごとを決定する力を意味していることが多いです。しかし、認知機能における判断力は、外出して今自分がどこにいるのかを把握したり(見当識)、テレビを見て理解しながら食事をしたり(注意力)など日常の中でも働いています。
判断力が衰えると
判断力は脳の「前頭葉」という部分が機能することで働きます。前頭葉は、病気や外傷、加齢による脳の老化などでその機能が低下することがあります。前頭葉の機能低下によって判断力が衰えると、社会生活を営むうえでさまざまな問題を引き起こします。
例えば、時間や季節がわからなくなったり今いる場所が把握できなくなったりする見当識障害は、迷子や徘徊の原因に。見当識障害は認知症の特徴的な症状でもあり、認知症患者の徘徊は社会問題にもなっています。注意力が低下する注意障害では、ものごとに集中できずぼんやりしてミスが多くなります。
さらに、判断力が衰えると正しい判断ができなくなるため、社会のルールを守ることができなくなります。度々交通違反をしてしまったり、店のものをお金を払わずに持って帰ったりしてしまうことも。そのため、犯罪や事故に巻き込まれてしまうケースもあります。
判断力を強化するには
判断力の強化には散歩が効果的といわれています。できるだけ行く場所や道順を変え、新鮮さを取り入れながら歩いてみましょう。迷子になるかも…と不安がって外出を抑えていると、脳へ刺激が与えられずかえって状態を悪くさせてしまうことがあります。また、カレンダーや時計をこまめに確認し、日時を頭に入れるように意識しましょう。
空間認識を鍛えるには、目を閉じて作業を行うのも効果的。本をそろえたりリモコンを操作したりといった普段何気なく行っている作業も目を閉じると難しいものになります。手の感覚に集中するため注意力強化にもつながります。複数の作業を同時進行で、ながら動作をしながら順次優先順位をつける訓練も有効です。
判断力をチェックするには
認知症ねっとでは、ひろかわクリニック院長広川慶裕先生に監修いただいて、認知機能の簡易チェックを開発しました。認知機能チェックでは、「判断力」をはじめ、日々の生活で使われる主だった5つの認知機能を簡単な問題でチェックすることができます。チェックは無料で、何回でも受けることができます。
「認知機能チェック」はこちらから他の認知機能についても詳しく見る
認知機能の分類方法にはいくつかの種類がありますが、一例として、「記憶力」「言語能力」「判断力」「計算力」「遂行力」の5つに分類する方法があります
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