フェルラ酸に認知症予防に関する新発見 ファンケルが発表

2016年5月12日

認知症の原因物質の蓄積を低下

4月19日、株式会社ファンケルは米ぬかに含まれるフェルラ酸に、認知症発症原因の1つであるリン酸化タウタンパク質の蓄積を低下させる作用があることを発見したと発表した。

同社は予防医療に関する研究を6年前から行っており、今後はフェルラ酸の認知症予防における機能性解明のための研究をさらに進めていくとしている。

漢方薬の当帰(とうき)や米ぬかなどに含まれているフェルラ酸は、かねてより強い抗酸化作用があるとされており、認知症においても、その改善と予防について数多くの報告がなされてきている。

アルツハイマー関わるリン酸化タウタンパク質

また、タウタンパク質は神経細胞の信号伝達に関わるタンパク質で、このタウタンパク質が過剰にリン酸化することで、神経細胞と神経細胞の間の伝達に悪影響が出て、その蓄積がアルツハイマー型認知症の発症に関わっていると考えられている。

実験ではフェルラ酸を加えた培地の神経細胞におけるリン酸化タウタンパク質の量を低下させる効果が見られたという。今回の発表によれば、フェルラ酸のリン酸化タウタンパク質を低下させる作用についての報告は初めてのこと。

現在も根治のための治療方法が確立されていない認知症では、その予防方法の研究が必要である。同社では食品における認知症予防のための研究を進めており、米ぬかの中のフェルラ酸に着目していた。

(画像はニュースリリースより)

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▼外部リンク
「フェルラ酸」に認知症予防の新機能を発見[pdf]

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