アミロイドβ抗体生成細胞の体内への実用的な埋め込み方法を考案

2016年4月11日

アミロイドβの沈着を防ぐ方法の実用化に向けて

アルツハイマー病の原因物質といわれるアミロイドβ(Aβ)に対する抗体を生成する特殊な細胞を、皮下組織に埋め込むことでAβ等を減少させることに、マウスを使った実験で成功したという研究成果を、スイス・ローザンヌ工科大学の研究グループが発表した。

抗体を長期間投与するとAβの沈着を抑制できることが知られていたが、今回の研究で成功した方法は、注射等を行わずに抗体を継続的に体内に投与する実用的な方法として、その可能性が注目される。

抗体を継続的に生成する細胞を長期間体内で活動させるには

Aβを減少させる方法として理論的に分かっているのは、Aβのみを標的とする抗体だけを生成する特殊な細胞を体内に埋め込み、抗体を数ヶ月間継続して血液を通じて脳に供給することである。

しかし細胞をそのまま埋め込むと、マウス自身が生み出す抗体でこの細胞を攻撃・破壊されてしまうため、今回の実験では、細胞を高分子体に封入し、細胞を保護しながらAβ抗体を外部に放出する方法を考案した。

2種類のマウスでこの方法を行ったところ、アミロイドβ40とアミロイドβ42という2種類のたんぱく質の脳内レベルを急激に低下させることが分かった。合わせてアミロイドプラークの沈着も減少した。さらには、海馬内のリン酸化タウ病理を防ぐことができた。リン酸化タウもアルツハイマー病の原因物質の一つとされ、この結果も注目に値する。

この論文は、イギリスのオックスフォード大学出版が発行する神経学学術誌「Brain(脳)」3月8日オンライン版に掲載された。

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▼外部リンク
Brain(オンライン版 英文)


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