認知症の原因アミロイドβ沈着を可視化する「ビザミル」の合成機能、薬事承認取得
GEヘルスケア・ジャパン
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、6月1日、PET(陽電子放射断層撮影装置)検査で使用する放射性薬剤を自動合成する放射性医薬品合成設備「FASTlab(ファストラボ)」におけるアミロイドβ検出用薬剤「ビザミル(TM)」(一般名:フルテメタモル)の合成機能について、5月19日付で薬事承認を取得したと発表。
アミロイドβイメージング剤「ビザミル」
アミロイドβイメージング剤「ビザミル」は、アルツハイマー病(AD)や認知障害が疑われる成人患者の脳内に沈着するたんぱく質、アミロイドβを可視化する薬剤。アミロイドβの画像化は、アルツハイマー型認知症の診断において非常に有用な情報となる。
日本では超高齢化社会をむかえ、10年後には国内の認知症患者数が700万人を超えると推測されている。このような状況において、認知症診断技術の開発は、喫緊の課題となっている。
放射性医薬品合成設備「FASTlab(ファストラボ)」
ファストラボは、合成用試薬をセットすることにより、短時間で効率よく低被ばくなPET薬剤合成が可能な放射性医薬品合成設備。GEヘルスケア・ジャパンは、2012年4月よりファストラボの国内販売を開始した。今回薬事承認を取得した「ビザミル」のカセットについては、2015年7月より販売を開始する予定。
今回、ファストラボに「ビザミル」の合成機能が追加されたことで、国内で初めて1台で複数のPET薬剤の合成が可能な装置が誕生したことになる。これにより病院内での疾病診断が効率的かつ迅速になることが期待されている。
GEヘルスケアでは、すでに国内外の複数の製薬企業に協力して、アミロイドβイメージングによるアルツハイマー型認知症の治療薬開発をターゲットとした治験を進めている。さらにGEヘルスケアと住友化学の合弁会社である日本メジフィジックス株式会社では、医薬品としての「ビザミル」の開発も進行中ということだ。
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