アルツハイマー病では記憶が失われていない可能性 理研が発表

2016年3月19日

理研が研究を実施

理化学研究所(理研)脳科学総合研究センターの研究チームは3月17日、アルツハイマー病で記憶そのものが失われていない可能性があることを明らかにした。

アルツハイマー病とは記憶障害から始まり、最終的には認知機能全般が低下する病気である。アルツハイマー病にかかると、脳の海馬やその周辺で神経細胞の変性が起こることがわかっていた。しかし、記憶障害が「新しい記憶を形成・保存できないため」か「形成した記憶を思い出せないためか」は不明だった。

記憶の復元に成功する

そこで理研の研究チームは、アルツハイマー病モデルマウスの失われた記憶を、光遺伝学を用いて人為的に復元する実験を行った。

実験の結果、アルツハイマー病モデルマウスが記憶を正常に形成し、保存していること、そしてその記憶が想起できなくなっていることを研究チームは明らかにした。

また、神経細胞によって形成されるスパインという構造を、光遺伝学を用いて修復することによって、記憶想起が正常化することも明らかにされた。

研究チームのリーダーである利根川進センター長は「これらの細胞から記憶を取り出す技術が開発されれば、障害を軽減できるかもしれません」と語っており、今後の研究の進展に期待が寄せられる。

(画像はプレスリリースより)

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理化学研究所

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