赤ワインにも含まれるレスベラトロール、アルツハイマー病への効果は?
レスベラトロールについての研究
米国ジョージタウン大学らの研究グループは、アルツハイマー病に対するレスベラトロールについての研究をおこなった。その研究成果は、神経分野の専門誌ニューロロジー「American Academy of Neurology」に、10月20日掲載された。
研究は、軽度から中等度のアルツハイマー患者におけるレスベラトロールの効能について、無作為化プラセボ対照の他施設二重盲検第2相試験がおこなわれ、その安全性と認容性、およびバイオマーカーへの影響と脳の体積変化を検証した。
「アミロイドβ40」の減少と安全を確認
検証は、中程度までのアルツハイマー病の人119人を無作為に2グループに分け、一方にはレスベラトロール500mgを、もう一方にはニセ薬(プラセボ)を飲んでもらい、52週間にわたっておこなわれた。13週ごとにレスベラトロールを500mgずつ増量させ、最後は1000mg1日2回にまで増量。脳MRIや脳脊髄液(CSF)も、試験の最初と最後の時点で検査した。
結果は、レスベラトロールを投与したグループにおいて脳脊髄液と血液中の「アミロイドβ40」が減少。脳の体積減少は、レスベラトロール投与グループで、有意に増加が見られた。副作用としては、吐き気、下痢、体重減少の症状がでた。
これらの検証によって、レスベラトロールは安全に使用できることが確認された。研究グループは新薬の実用化に向けて、さらに検証を重ねていく方針だ。
赤ワインに含まれるレスベラトロール
レスベラトロールはポリフェノールの一種で、赤ワインに含まれることで知られる。動脈硬化を防ぎ、脳の血流量を増加させることで認知症を予防する可能性が報告されている。ほかに赤ブドウの果皮やピーナッツの皮、イタドリなどにも含まれる。
レスベラトロールの効果については、種々の研究がなされているが、効果は認められないとする報告もある。
(画像はイメージです)
▼関連記事
アルツハイマー型認知症とは
認知症・MCIの予防と改善
▼外部リンク
A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of resveratrol for Alzheimer disease.
- 【PR】治験参加者募集中!もの忘れなどのある高齢者でも、安心して使える睡眠治療薬の提供を目指して
- 11/28(木)「オンラインフレイル予防講座」防災編を開催(福岡市)
- 10/30(水)「オンラインフレイル予防講座」口腔編を開催(福岡市)
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「脳のスペックを最大化する食事」7/20発売
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「潜伏期間は20年。今なら間に合う 認知症は自分で防げる!」
- 広川慶裕医師の、認知症予防のことがよく分かる『認トレ®️ベーシック講座』開講!
- 知ると知らないじゃ大違い!民間介護保険って何?
- 酸化ストレスを減らすと認知症予防に!秘密はサプリメント
- ユッキー先生の認知症コラム第92回:あるべき姿の認知症ケア
- 認知症専門医による認知症疾患啓発イベントを開催
- ポイントは食生活にあった。認知機能維持に必要なのは・・・
- 認知症予防は40代から!摂ると差が出る栄養素とは。
- 山口先生のコラム「やさしい家族信託」第17回:Q&A 外出自粛で、認知機能の低下が心配。家族信託、遺言、後見、今できることが知りたい
- 【広川先生監修】5分で分かる認知機能チェック(無料)はこちら
- 認知症は予防できるの?
- 認知症の種類とその詳細はこちら