塩崎厚労相、認知症など身元不明者の情報公開を各都道府県に要請

2015年10月26日

10月20日の記者会見

塩崎恭久厚生労働相は、10月20日の記者会見で、認知症などで保護された身元不明者の情報を、特設サイトにて積極的に公開していくよう、各都道府県に求める考えを示した。

去る19日、認知症などで保護された身元不明者に関する厚生労働省の全国調査で、神奈川県が50人、東京都が49人身元不明者がいたにもかかわらず、関連情報を載せるインターネットのサイトには、それぞれ1人しか掲載していないことが明らかとなった。

東京都と神奈川県の見解

東京都の舛添要一知事は、

「家族が警察に照会すれば、基本的には見つかるはずで、どこまで情報を出せるかは、個人情報保護の関係から難しく、親を捜す気がない家族の場合、押しつけられない。行政が何でもかんでも情報を公開すればいいというのは、ほかの県がやっていても、非常に懐疑的だ」(NHKニュースより)

との考えを示した。

神奈川県も、「個人情報保護条例」をあげ、本人の同意がないかぎり公表は難しいとの見解を表明している。

厚労省は情報公開を推進

厚労省は昨年、全国の市区町村を対象として身元不明者の実態を調査したところ、身元不明者が346人、そのうちの35人が認知症であることが判明したことから、写真や性別、推定年齢などの情報を掲載するよう都道府県に呼びかけていた。

塩崎厚労相は、同記者会見において、本人や関係者の同意がなくても情報提供できるとの条例の解釈に基づき情報を公開し、身元の特定につながった自治体のケースもあると述べ、東京都についても引き続き情報公開を求める考えを明らかにした。

▼関連記事
警察庁が認知症による身元不明者などのDNAをデータベース化へ
平成26年 認知症行方不明者の届け出状況 2年連続1万人超

▼外部リンク
厚生労働省 大臣記者会見


【この記事を読んだ方へのおすすめ記事】

このページの
上へ戻る