アルツハイマー型認知症の再認記憶障害で新発見、2種のアセチルコリンの機能とは

2015年8月12日

福島県立医科大学と広島大学の共同研究チーム

福島県立医科大学の小林和人教授らと広島大学の坂田省吾教授らの共同研究チームは、8月6日、異なるタイプのアセチルコリン神経細胞が、別々の再認記憶の機能を担っていることを発見したと発表。これらの研究成果は世界で初めて明らかにされたもので、英国科学誌 「ScientificReports」8月6日号に掲載された。

再認記憶はもっとも基本的な記憶機能であるが、アルツハイマー型認知症では、その初期症状として再認記憶の障がいが強く現れるのが特徴。また同時に初期段階として、アセチルコリンを伝達物質とする神経細胞が脱落を始めることが知られている。

このことから、アルツハイマー型認知症における再認記憶障がいは、アセチルコリン神経細胞の機能低下を治療することにより、初期の記憶障がいを回復させる可能性があると考えられる。

2タイプのアセチルコリン神経細胞

アセチルコリン神経細胞には、タイプが2種類ある。今までそれぞれがどのように記憶機能に関わっているかは明らかになっていなかったが、同研究チームは、標的とした神経細胞だけを取りのぞく技術を用いて、異なる2つの神経細胞を除去することに成功。2種類のアセチルコリン神経細胞が、それぞれ別のタイプの再認記憶を分担して調節していることがわかった。

つまり、一方のタイプを除去すると物体がどこにあるかがわからなくなり、もう一方のタイプを除去するとその物体が何かということがわからなくなることを発見。さらに、それぞれの記憶障がいは、アセチルコリンの分解酵素を阻害する抗認知症薬によって回復することが明らかとなった。

病態の解明と治療薬の開発に期待

今回の研究により、アセチルコリン神経細胞の活動が再認記憶にとって不可欠であることが示された。

これらの研究結果は、アルツハイマー型認知症の病態の解明や記憶障がいに対する治療薬の開発に、大きく貢献することが期待される。

(画像はプレスリリースより)

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▼外部リンク
福島県立医科大学 プレスリリース


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