樋口直美さんの書籍『誤作動する脳』発売
2020年4月16日
体験を通して語られる「認知症」
「誤作動する脳」というタイトルからどのようなイメージを抱くでしょうか。「脳が誤作動するってどういうこと?」とお思いになられるかもしれません。
著者の樋口直美さんは、50歳の時に「レビー小体型認知症」との診断を受けました。レビー小体型認知症とは、日本ではアルツハイマー型認知症の次に多いとも言われている認知症です。レビー小体という特殊なたんぱく質が脳に現れます。
>>ユッキー先生の認知症コラム>第73回 レビー小体型認知症と診断されたら~その経過と対策~
認知症は、目に見えない病気です。特にレビー小体型認知症は、幻視や幻聴、幻臭、幻味などの症状もみられるため、なかなか理解されない場合もあります。樋口さんは、ご自身が体験している症状と、本に書かれている症状の説明とは異なっていると気づきました。また自分の症状が、発達障害や高次脳機能障害などさまざまな脳の病気や障害をもつ人の症状とよく似ていることも知りました。
『私自身、自分にどういう障害があるかは、“何かができなかったとき”に初めて気づくことです。そのたびに驚き、「これは一体どういう仕組み!?」と考え、文献など調べ……まぁ、おもしろがってもいます。』(「はじめに」より)
樋口さんは、さまざまな症状と上手に付き合いながら、本人が多様な症状をどんなふうに体験しているかを具体的に教えて下さいます。ご本人だからこその説得力、言葉の重さを感じます。
認知症は、誰しもなりうる病気です。本人から見た認知症ってどんなものなの?と関心のある方、家族や知人が認知症の方、現在介護している方など、認知症の方を理解するための一冊になるはずです。
(画像は公式サイトより)
樋口直美さんのインタビューはこちら
>>レビー小体型認知症は認知症というより意識の障害
>>出版から1年経った現在の心境の変化とメディアを通じて伝えたい思いとは
▼外部リンク
医学書院 「誤作動する脳」紹介ページ
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