「地域包括ケアシステム構築セミナー」が開催されました

2017年8月24日
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認知症ねっと
認知症ねっと編集部
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保険外サービスを活用した地域包括ケア実現のために

医療や介護のみならず、住まいや生活支援、介護予防などのサービスが、日々生活する地域の中で総合的に確保される体制「地域包括ケアシステム」。団塊の世代が75歳以上となる2025年を目標に構築が推進されています。

レクリエーション介護士制度を手掛けるBCC株式会社スマイル・プラスカンパニーは、8月4日、地域包括ケアシステム構築と公的保険外サービスの活用推進についてのセミナーを開催しました。

「地域包括ケアシステム」の概要と課題

超高齢化が進む現代。今後ケアが必要な高齢者は増加の一途を辿りますが、支える次の世代が少なく、家族だけでケアを行うのが難しくなっているのが現状です。そんな中、高齢者が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、体制が整えられつつあるのが地域包括ケアシステム。地域や自治体が、その地域のニーズに合ったサービスの構築を目指すものです。

「医療」「介護」「住まい」「生活支援・介護予防」を網羅した暮らしやすい地域社会の実現には、既存の医療保険や介護保険などの公的サービスだけで対応するのは難しく、民間サービスやボランティアの充実も必要です。地域の中で、様々な関係者が連携を図り、医療や介護を支えることが重要なのです。

必要とされるサービスの拡充や、新たな事業者の参入を推奨するため、経済産業省・厚生労働省は昨年、「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集(保険外サービス活用ガイドブック)」を発行しました。


▼関連リンク
経済産業省:保険外サービス活用ガイドブックを策定しました

介護現場の事例発表まで網羅した講演会

今回のセミナーでは、高齢者の多様なニーズに対応しきれていないという課題と、事例が少ないため保険外サービスの活用をためらう自治体や事業者が多くいるという点に着目。現状を打破すべく、地域包括ケアシステムの基礎知識から最新情報、民間企業の事例などが発表されました。

地域包括ケアシステムの構築と公的保険外サービスの活用推進

厚生労働省 老健局振興課 山口基氏

今回の基調講演として、地域包括ケアシステムの基本的な仕組みを説明。現在の全国の様子などを紹介した他、高齢者の社会参加と生活支援ボランティアをつなげるアイディアや、必要なサービスについてのヒント、優良なサービスを周知することで全国に拡充する国の姿勢なども盛り込まれた内容でした。

地域で支える認知症の基礎知識~認知症介助士の学びから~

公益財団法人日本ケアフィット共育機構 認知症介助士インストラクター 冨樫正義

認知症介助士インストラクターである富樫氏はまず、認知症の基礎知識を大変わかりやすい説明で披露。来場者自身が考えたりディスカッションする時間を作ることで、介助が必要な方への接し方のポイントや、応対の事例といったお話も、より身近な問題として実感することができました。その場にいた誰もが認知症に対する理解を更に深めた講演でした。

レクリエーションが変える施設経営~地域包括ケアシステムの一員として~

合同会社福祉クリエーションジャパン代表、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会講師 藤井寿和氏

施設を運営する自らの経験から、介護施設で現在どのようなことが起こっているのか、沢山の事例をお話くださいました。「レクリエーション」「生きがい」というキーワードの大切さを実感した藤井氏は、利用者のニーズやその時の状況に合わせ、あらゆるシーンをレクリエーションとして活用しています。「日々の生活の中に生きる楽しみと喜びを見出していく様々な活動こそがレクリエーション」と言う藤井氏。その取り組みは、様々なストーリーを生み出すとともに、利用者にとって大きな効果をあげています。

地域包括ケアシステム構築の取組事例とレクリエーション介護士の役割 ~介護現場で求められる、レクリエーション介護士の活躍事例 ~

BCC株式会社スマイル・プラスカンパニー執行役員 小出契太

レクリエーション介護士の活躍事例が紹介されました。
「介護レクリエーションを通じて地域で高齢者を支える社会を実現する」という将来像を持つスマイル・プラスカンパニーは、この将来像を実現するためのキーパーソンが、レクリエーション介護士であるとしています。活躍の場を提供するパートナーが増え、利用者にとってもサービスの選択肢が増えることが期待されます。

▼外部リンク
BCC株式会社 スマイル・プラスカンパニー


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