ロコモは認知症のリスクも上げる!
今日からできる対策法とおすすめレシピ
この記事を読んでわかること
- ロコモティブシンドロームと認知症の関係
- ロコモ対策に有効とされる中鎖脂肪酸の働き
- 今日からできる対策法とおすすめレシピ
本日のレシピ バナナときなこのスムージー
高齢者の低栄養で懸念される「ロコモティブシンドローム」
「ロコモティブシンドローム」とは、骨や関節、筋肉といった運動器が障害されることによって立ち座りや歩行が困難になり、要介護・寝たきりといったリスクが高くなっている状態を言います。略して「ロコモ」とも呼ばれ、昨今の高齢化にともない日本整形外科学会によってその概念が提唱されました。
高齢になると、筋力の低下や関節の病気、骨粗しょう症などにより運動機能が衰えやすくなるため、ロコモのリスクが高まります。また、無理なダイエットや食欲不振などで栄養が不足している場合も、骨や筋肉の量が減ってしまいロコモの危険性が高くなります。
高齢者の場合、加齢による筋肉、関節の衰えに加え、食が細くなることでの低栄養になりやすいため、特に注意が必要です。
ロコモティブシンドロームが認知症につながる恐れも
ロコモになると、運動機能低下による弊害だけでなく認知症のリスクも高まることが指摘されています。
体が思うように動かなくなると、外に出るのがおっくうになってしまいがちです。家の中に閉じこもる時間も多くなるでしょう。人と会う機会が少なくなると、脳が刺激を受けることも少なくなり、考えることも減って認知機能が低下してしまうことがあると考えられているのです。
ロコモ対策に有効とされる中鎖脂肪酸の働き
ロコモの予防対策では、運動と食生活が重要になります。ウォーキングなど無理のない範囲の運動を続け筋力を維持するほか、食生活では、筋肉のもととなるタンパク質や、骨をつくるために必要となるカルシウムなどを積極的に摂るようにしましょう。特に高齢になると、肉や魚よりも野菜を中心とした料理を好むようになることが多く動物性タンパク質が不足しがちなため、意識して摂る必要があります。
食事から摂れる成分でロコモ対策に有効なものとしては、ココナッツオイルや牛乳、母乳などに含まれる中鎖脂肪酸があります。中鎖脂肪酸は、糖に代わってエネルギーとなる「ケトン体」を効率よくつくりだすといった特徴があります。
人間は、エネルギーを使う際に、糖⇒脂肪⇒タンパク質の順番で分解し、エネルギー化します。そのため、糖が不足すると、最終的にタンパク質が分解されてエネルギーとして使われます。しかし、中鎖脂肪酸を摂取することにより、糖が不足した際、中鎖脂肪酸がつくりだすケトン体が糖に代わってエネルギーの産生をまかなってくれます。それにより、筋肉のもととなるタンパク質が分解されるのを防ぐことができ、筋肉の衰えの予防にもつながるのです。
中鎖脂肪酸の有効性を示す研究結果も
中鎖脂肪酸の筋肉量低下に対する有効性は、研究でも認められています。要介護の状態である高齢者を対象とした研究で、「必須アミノ酸+ビタミンD+中鎖脂肪酸」を摂取するグループと「必須アミノ酸+ビタミンD+長鎖脂肪酸」を摂取するグループとに分け、身体の機能の改善具合を比較したところ、特に積極的に運動トレーニングなどを行っていなかったにも関わらず、中鎖脂肪酸を摂取したグループでは、筋力や筋肉機能の改善が見られた、という結果が出ています。
中鎖脂肪酸と毎日の運動でロコモ&認知症を防ぐ
中鎖脂肪酸は、脳の栄養不足予防にも有効とされる成分であり、体と脳の両方から健康にアプローチします。また、ロコモ予防によいとされるウォーキングなどの有酸素運動も、脳の血流をよくし、認知症予防にも役立つとされています。
体も脳もいつまでも若々しくいるためにも、毎日の運動と積極的な中鎖脂肪酸の摂取を心がけましょう。
筋力向上におすすめ!乳タンパクと糖質×中鎖脂肪酸のレシピ
バナナときなこのスムージー
作り方
まとめ
ロコモ対策に必要なたんぱく質や、ビタミンB6、カルシウム、などがしっかり摂れるスムージー。MCTオイルのおかげで、効率よくエネルギーも摂れるので、運動時や食が進まないときに飲むのもお勧めのドリンクです。凍らせたバナナで作るとシェイクのようなシャーベット状になります。暑い日などにはこちらもお勧めです。是非お試しください。
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