認知症者が辛い記憶の沖縄戦と向き合う~NHKテレビで放送
2016年8月10日
記憶が抜け落ちる中、戦争の記憶は鮮やかに蘇り苦しむ
NHK教育テレビ(Eテレ)の番組「ハートネットTV」では、終戦記念日の8月15日に、「シリーズ戦後71年 忘れられない、雨―認知症と沖縄戦の記憶―」を放送する。
番組では、戦中に日本軍基地が置かれ、戦いで島の大半が消失した津堅島(うるま市)を取材。津堅島唯一の高齢者施設「いこいの家」では、入所者が千羽鶴を折り、戦争で亡くした家族や友人を悼み、平和を願っていた。
そのうちの一人、冨里ミツさん(85)は、認知症のため日常の新しい記憶は抜け落ちることが多いが、戦時中に爆撃で母を亡くした時の惨状は鮮明に思い出し、辛いという。
また、沖縄戦の最高齢の語り部・北中城村に住む安里要江さん(95)を訪ねた。安里さんは、昨年認知症を発症してから、記憶の整理がつかなくなり苦しんでいる。夜暗くなると、生後9ヶ月の娘が餓死した真っ暗な壕にいる錯覚に陥り、夜一人で過ごせなくなった。
人生の最後まで残される記憶にどう向き合うのか
「この季節になると、戦争を鮮明に思い出し苦しむ認知症の方が多いんです」6月、沖縄の高齢者施設や病院を訪ねると、こうした声を多く耳にする。4月1日に始まった沖縄での地上戦が激化していったこの季節になると、当時の凄惨な記憶が克明に蘇るという。
番組では、終戦から71年目の沖縄で、壮絶な体験をしたお年寄りたちと彼らの思いを引き継ごうとする人々をみつめ、「忘れられない記憶を伝えたい、でも辛い」というお年寄りたちの気持ちにどう寄りそっていけばよいのかを考える。
放送は、8月15日(月曜日)の午後8時から。再放送は8月22日(月曜日)の午後1時05分。
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▼外部リンク
シリーズ戦後71年 忘れられない、雨―認知症と沖縄戦の記憶―
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