高齢者の3割近くが低栄養!?認知症リスクを上げる栄養不足を解決するレシピ

2016年8月4日

この記事を読んでわかること

  • 高齢者の3割近くが「低栄養」となる要因
  • 低栄養と認知症の関係と、低栄養による認知機能の低下を防ぐためのポイント
  • 低栄養のエネルギー補給に中鎖脂肪酸が最適な理由
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本日のレシピ 鮭と玉子のふわとろ温奴

高齢者の3割近くが「低栄養」状態

「低栄養」とは、健康に生きていくうえで必要となる栄養素が十分な量を摂れていない状態を言います。

高齢者は特に低栄養に陥りやすく、3割近くが低栄養状態であるともいわれています。高齢者が低栄養になりやすい理由としては、食欲の低下や消化・吸収能力の低下、噛む力や飲みこむ力の低下などがあげられますが、高齢でのひとり暮らしや夫婦だけでの生活など、生活環境や精神面も要因となります。

低栄養になると認知症リスクが増加

高齢者の低栄養は、免疫力を低下させたり、運動器の障害(ロコモティブシンドローム)のリスクを高めたりなど、さまざまな健康問題を引き起こします。近年、その患者数の増加が注目される認知症も、低栄養によってリスクが高まる病気のひとつです。

認知症は、認知機能を司る脳の変化により、認知機能が低下することで起こります。この脳のエネルギー源となるのが、ごはんやパンなどの炭水化物や砂糖などの糖質が消化されてできるブドウ糖。脳はブドウ糖を溜めておくことができないため、常に一定量のブドウ糖が脳に供給されていなければなりません。しかし、食事で栄養が十分に摂れていない低栄養の状態では、脳のエネルギー源となるブドウ糖が不足し、脳がエネルギー不足の状態になってしまいます。この脳のエネルギー不足が、認知機能低下の原因のひとつと考えられています。

こうした低栄養による健康問題を予防する観点から作られた「老化予防をめざした食生活指針」(東京都健康長寿医療センター研究所発表)では、「食事は1日3回バランスよくとる」や、とかく敬遠しがちな油脂について敢えて「油脂類が不足しないこと」などがあげられています。

>>高齢者の摂取におすすめの油脂類は?

低栄養のエネルギー補給に最適な中鎖脂肪酸

高齢者のさらなる問題として、高齢になるにつれて体内に取り入れたブドウ糖が脳のエネルギーとして利用されにくくなる、といった点もあります。低栄養に加え、このような問題から、高齢者は脳のエネルギー不足に陥りやすいのです。この脳のエネルギー不足を予防するのに役立つとして注目されているのが、ココナッツオイルや牛乳、母乳などに含まれる天然成分「中鎖脂肪酸」です。

低栄養などで体の中のブドウ糖が足りない場合、脳は肝臓で作られる「ケトン体」を代替エネルギーとして利用します。そして、中鎖脂肪酸はこのケトン体を効率よく作り出しますので、脳をエネルギー不足から守る働きがあるのではないかと考えられます。

また、エネルギー不足によって休眠状態となっていた脳細胞が、中鎖脂肪酸が作り出すケトン体をエネルギー源として再び活性化する可能性もあります。

低栄養からくる認知機能の低下が懸念される高齢者は、食事の品数を増やすなど意識して栄養を摂取するとともに、中鎖脂肪酸を積極的に摂取することが勧められます。

>>今注目される中鎖脂肪酸とは

中鎖脂肪酸×高齢者向け低栄養改善のレシピ

鮭と玉子のふわとろ温奴
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●調理時間:約10分
●材料(2人分)
個食充てん豆腐 2パック(300g)
卵 1個(50g)
鮭フレーク 大さじ4(30g)
オクラ 2本(16g)
水 1カップ(200ml)
中華スープの素 小さじ1(2.5g)
片栗粉 小さじ1(3g)
水(片栗粉用) 小さじ1
塩 少々
こしょう 少々
MCTオイル 大さじ1(14g)
作り方
  1. 豆腐は盛り付ける器に入れて、ラップをし、電子レンジ(500W)で1分加熱する。
  2. オクラは2㎜幅に輪切りにする。
  3. 小鍋に鮭フレーク、水、中華スープの素を入れて火にかけ、沸騰したらオクラを加える。
  4. 片栗粉を水で溶いて③に加え、とろみをつける。
  5. 卵をボウルに割りいれてよく混ぜ、④に細く回しいれて、ふんわりさせる。
  6. 塩コショウで味を整えて、火と止めたら、MCTオイルを加えて、①の豆腐にかける。

まとめ

豆腐をメインに、鮭や卵と消化しやすくしっかりたんぱく質が補える食材を使った、胃にやさしいレシピ。片栗粉でとろみをつけてから、溶き卵を加えることで、ふんわり感が出ます。そして、MCTオイルを加えることで、エネルギー補給になる上に、コクもアップして満足感にも繋がります。エネルギー不足を改善し、認知症予防にも役立つレシピです。是非お試しください。

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