レビー小体型認知症、最新の治療法は?

2015年11月16日

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型認知症は、横浜市立大学の名誉教授小阪憲司氏が発見した疾患で、病理学的には、大脳と脳幹の神経細胞の脱落がおこり、レビー小体が多数出現することを特徴としている。

認知症は、主にアルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症に分けられ、日本では高齢化が進むにしたがい、レビー小体型の患者数も増加傾向にある。

レビー小体型は、進行性の認知機能障害で、認知機能が鮮明であるときと不鮮明であるときの変動があり、幻視を特長とする。また身体のこわばりや手足のふるえなど、パーキンソニズム特有の症状を示す。しかし認知症特有の記憶障害は症状が進んでから現れることが多く、認知症と気づくのが遅れる場合もあるという。

レビー小体型におけるアリセプトの承認取得

エーザイ株式会社は、2014年9月、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト(R)」について、新たにレビー小体型認知症に関する効能・効果の承認を取得した。これによってアリセプトは、レビー小体型認知症の症状を緩和する効果のある、世界で初めての薬剤となった。

アリセプトは、脳の情報伝達物質「アセチルコリン」を減らす酵素「コリンエステラーゼ」の働きを弱める作用がある。アセチルコリンの濃度を高め認知機能を改善することで、症状が進むのを遅らせる。

アリセプトを用いた治療方法の周知を

アリセプトが保険適用になったことで、今まで処方されていた抗精神病薬からアリセプトに切り替え、認知機能の変動や幻視の症状が減って、体調が楽になったという例もある。しかしレビー小体型認知症は医療分野においても認識が不十分で、正しく診断されないまま症状に苦しんでいる患者も少なくないということだ。

エーザイは、レビー小体型認知症の認知向上と診断方法の普及に加え、アリセプトの在宅医療市場開拓に向けた取り組みをおこなっている。今後は、介護をサポートする医療従事者や介護担当者への、アリセプトを用いた治療方法の周知を進めていく必要がある。

(画像はイメージです)

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▼外部リンク
エーザイ株式会社 プレスリリース

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