認知症の予防と治療:⑨地域密着型サービス の種類と内容

この記事の目次
  1. 地域密着型サービスとは
  2. 地域密着型サービスを利用できる対象者は?
  3. 地域密着型サービスにはどんな種類があるのか?
  4. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは
  5. 夜間対応型訪問介護とは
  6. 地域密着型通所介護とは
  7. 療養通所介護とは
  8. 認知症対応型通所介護とは
  9. 小規模多機能型居宅介護とは
  10. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは
  11. 地域密着型特定施設入居者生活介護とは
  12. 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護とは
  13. 看護小規模多機能型居宅介護とは

地域密着型サービスとは

地域密着型サービスとは、介護保険を利用して、居宅で受けられる介護サービスのことを言います。居宅とは、自宅だけでなく、軽費老人ホーム、有料老人ホームなどの居室も含みます。

また、サービスの内容はお住まいの区市町村によって異なります。詳しくはご担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、役所の介護保険課に相談しましょう。

地域密着型サービスを利用できる対象者は?

要介護の認定を受けて、原則としてサービスを提供する事業者のある市町村に住む人に限られます(隣の市町村にある事業所のサービスは利用できません)。

ただし、介護予防を目的とした「地域密着型介護予防サービス」は要支援の認定を受けている人が対象となります。介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)のサービスを提供しています。

地域密着型サービスにはどんな種類があるのか?

地域密着型サービスには、以下の10種類あります。

①定期巡回・随時対応型訪問介護看護
②夜間対応型訪問介護
③地域密着型通所介護
④療養通所介護
⑤認知症対応型通所介護
⑥小規模多機能型居宅介護
⑦認知症対応型共同生活介護
⑧地域密着型特定施設入居者生活介護
⑨地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
⑩看護小規模多機能型居宅介護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは

訪問介護と訪問看護が一体化して連携を取りながら援助を行います。

定期的な巡回や利用者や家族からの連絡を受けて随時対応し、24時間複数回の訪問を行います。ホームヘルパー(訪問介護員)や看護師が居宅を訪問し、食事・入浴や排せつの介助を行います。また、看護師は医療的ケアを行います。

居宅で生活する要介護と認定された人が利用できます。

夜間対応型訪問介護とは

夜間に定期巡回してくれる訪問介護と利用者や家族からの連絡を受けて随時対応する2種類があります。定期巡回は、夜間の排せつの介助や安否確認などを行います。随時対応は、転倒して起き上がることができない場合や体調不良時など緊急時の対応を行います。

居宅で生活する要介護と認定された人が利用できます。

地域密着型通所介護とは

定員18名以下の小規模な日帰りのデイサービスで、食事・入浴や排せつなどの介護、機能訓練、レクリエーションを行います。送迎してくれる施設もあります。

居宅で生活する要介護と認定された人が利用できます。

療養通所介護とは

難病等の重度の要介護者やがん末期の患者、呼吸器をつけた医療的ケアを必要とする方などが対象です。常時看護師が観察しながら食事・入浴や排せつなどの援助、医療的ケアや機能訓練を行います。

重度の要介護者であっても、末期の状態であっても社会から孤立することなく、心身機能の維持を図ります。また、家族が介護から離れて、自分の時間を作りリフレッシュできるように援助します。送迎中の必要な援助に対応します。

認知症対応型通所介護とは

認知症のある人に限定した通所施設です。デイサービスセンター(日帰り介護施設)で食事・入浴や排せつなどの日常生活を送るうえで必要な介護や機能訓練などの援助を行います。送迎をしてくれる施設もあります。

居宅で生活する要介護と認定された人が利用できます。

また、要支援の人は介護予防認知症対応型通所介護を利用できます。

小規模多機能型居宅介護とは

1つの事業者と契約をして、「通い」を中心にして「訪問」や「短期間の宿泊」を組み合わせて、利用します。事業者が同じであることから、スタッフと顔なじみになり、安心して過ごせます。入浴、排せつ、食事等の介護、その他日常生活上の世話、機能訓練の援助を行います。

居宅で生活する要介護と認定された人が利用できます。

要支援の人は介護予防小規模多機能型居宅介護を利用できます。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは

認知症の人が共同で生活する住居において、食事・入浴や排せつなどの介護、その他の日常生活上の世話、機能訓練を行います。少人数(5人~9人)の家庭的な雰囲気の中で、症状の進行を遅らせて、できる限り自立した生活が送れるようになることを目指します。24時間専門スタッフと共に共同生活を送るので、安心です。

認知症の症状がある要介護1以上の認定を受けた人が対象となります。(認知症の原因となる疾患の症状が急に現れたり、進行する状態にある場合は対象となりません。)

要支援2の人は介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用できます。要支援1の人は利用できません。

地域密着型特定施設入居者生活介護とは

定員29名以下の有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームに入所している人に対して、食事・入浴や排せつの介助、その他の日常生活の世話、機能訓練を行います。

居宅で生活する要介護と認定された人が利用できます。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護とは

定員が29人以下の特別養護老人ホームに入所している人に対して、食事・入浴や排せつなどの介助、その他の日常生活上の世話、機能訓練を行います。

要介護3以上の認定を受けた人が対象となります(要介護1、2の方でも特例的に入所が認められる場合があります)。

看護小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護と同じく、1つの事業者と契約をして、「通い」を中心にして「訪問」や「短期間の宿泊」に加えて訪問看護が行われます。医療ニーズの高い利用者が対象となります。

居宅で生活する要介護と認定された人が利用できます。


参考文献:1)厚生労働省. 介護保険制度の概要.(2019年12月12日アクセス)
2)厚生労働省. 介護事業所・生活関連情報検索.(2019年12月12日アクセス)


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