認知症の予防と治療:⑦介護保険を利用するためには?

この記事の目次
  1. 介護保険を利用するためには
  2. 介護保険制度とは
  3. 第1号被保険者とは
  4. 第2号被保険者とは
  5. 要介護認定の申請を行う
  6. 認定調査を受ける
  7. かかりつけ医に意見書を書いてもらう
  8. 介護認定審査会
  9. ケアマネジャーが決定し、ケアプランを作成してもらう
  10. 介護サービスを利用する

介護保険を利用するためには

介護保険を利用する方法はご存知でしょうか。「何だか難しそう…」「認知症じゃないから、まだ必要ないかな?」と考えていらっしゃる人もいるかもしれません。しかし、いつ、何が起こるかわかりません。いざという時のために、今から手続きの方法を知っておく、実際に申請してみることをお勧めします。

介護保険制度とは

介護保険制度とは、区市町村によって運営されています(保険者と言います)。40歳以上の人が加入者となって保険料を納めます(被保険者と言います)。介護が必要になった時、費用の一部を支払い、介護サービスを利用します。

サービスを利用できる人は、第1号被保険者(65歳以上の人)と第2被保険者(40歳以上65歳未満の人)です。

介護保険制度って?

第1号被保険者とは

第1号被保険者とは、原因に関係なく、介護や日常生活の支援が必要になった時、区市町村の認定を受けて介護サービスを利用できます。

第2号被保険者とは

第2号被保険者とは、特定の病気(特定疾患と言います)により介護や支援が必要になった時、区市町村の認定を受け、介護サービスを利用できます。

要介護認定の申請を行う

要介護認定とは、介護サービスの必要度(介護度と言います。)を判断するものです。その人が、どれ位、介護のサービスを行う必要があるかを判断します。

区市町村役所の介護保険を担当する窓口やホームページに、要介護認定を受けるための「要介護認定・要支援認定申請書」がありますので、記載をして提出します。

必要な持ち物は、第1号被保険者の場合は介護保険被保険証、第2号被保険者の場合には医療保険被保険者証と、通知カードかマイナンバーカードです。

本人による申請が難しい場合は、家族や、地域包括支援センター・居宅介護支援事業者・介護保険施設などに申請を代行してもらうこともできます。

認定調査を受ける

要介護認定の申請が終わると、本人の心身の状態や、日常生活の様子を調査するため、調査員が本人と直接会って調査します。

入院や施設に入所中の場合は、申請書に入院・入所している場所を記載する欄があります。

調査内容は、心身の状態、日常生活がどの程度自立しているか、治療状況、現在の状況などを確認します。

認定調査を受ける場合は、本人だけでなく、家族が同席しましょう。よくある話ですが、調査員の前だと、頑張って「できる」人が多いです。家族が同席すれば、調査員に修正や追加情報、日常生活の現状や日頃困っていることを説明することができます。ただし、本人の前なので傷つけないように配慮しましょう。

かかりつけ医に意見書を書いてもらう

かかりつけ医の氏名・施設の住所を「要介護認定・要支援認定申請書」に記載します。また、あらかじめ医師に意見書を書いてもらえるか同意を得ておきましょう。

区市町村側で、認定調査の結果をみながら、かかりつけ医に意見書を書いてもらいます。

介護認定審査会

認定調査の結果から公平に判定されるため、コンピューター判定が行われます。その後、認定調査の際に得られた特記事項の内容とかかりつけ医の意見書をもとに、介護認定審査会が行われます。介護認定審査会は、区市町村が任命する保健、医療、福祉の専門家が参加して審査します。

開催される時期は区市町村によって異なります。どのくらいのサービスが必要かの目安となる介護度が判定されます。

介護度は以下のように区分されています。

非該当:自立している状態です。介護サービスや介護予防サービスは利用できません。しかし、介護予防・生活支援サービス事業や一般介護予防事業は利用できます。
介護予防・生活支援サービス事業とは、心身の健康・保持だけではなく、生活環境や地域も含めて支援する介護予防事業です。地域で自立した生活が送れるように支援に関する取り組みや、リハビリテーションを中心とした介護予防の機能強化を図ります。
一般介護予防事業とは、65歳以上のすべての人が利用できます。保健所や福祉会館で行われる介護予防の勉強会や、健康教室・文化活動などのサークル活動を通して地域で人と人のつながりを通して介護予防に向けた支援を行う事業です。

要支援1・2:要支援とは、心身の障害により日常生活の一部に支障がある状態です。介護予防サービスと区市町村が行う介護予防・生活支援サービス事業が利用できます。
介護予防サービスは、介護予防訪問介護(ホームヘルプ)、介護予防訪問看護、介護予防訪問入浴介護などが利用できます。

要介護1~5:心身の障害があり、継続して常に日常生活動作の一部・全部に介助が必要な状態です。介護サービスが利用できます。
介護サービスとは、自宅で利用するサービス(訪問看護、訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問入浴など)、自宅から通って利用するサービス(デイケア、デイサービス、ショートステイなど)、生活環境を整えるためのサービス(福祉用具のレンタル、住宅改修など)、生活の場を自宅から移して利用するサービス(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、認知症対応型共同生活介護など)があります。

認知症の予防と治療:③介護施設を選ぶとき

ケアマネジャーが決定し、ケアプランを作成してもらう

居宅介護支援事業所のケアマネジャーが適切なサービスを利用できるように、心身の状況・環境・本人の希望などに基づき、ケアプランを作成します。また、サービス提供事業者と連絡調整などを行います。

介護サービスを利用する

サービス事業者と契約を結び、サービスを受けることができます。利用者は、介護度によって利用者負担を支払います。

介護サービスの種類と内容


参考文献:1)厚生労働省.介護保険制度の概要.(2019年12月12日アクセス)


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