「軽度アルツハイマーの症状が改善」プラズマローゲンとは~藤野武彦医師に聞いた

2017年6月30日 PR
BOOCS法の提唱者 藤野武彦医師

2017年3月、ホタテから抽出した「プラズマローゲン」という物質を継続的に経口摂取することで、軽度のアルツハイマー型認知症(AD)患者の記憶力などが改善したと、医学雑誌「EBioMedicine」に掲載されました。試験結果を発表したのは、九州大学名誉教授の藤野武彦医師を中心とする研究チーム。プラズマローゲンとはどんな物質で、試験では具体的にどんな結果が出たのでしょうか。藤野医師がプラズマローゲンに着目した経緯を含めて、聞きました。

厳格な条件下での試験で、記憶力、周辺症状がともに改善

プラズマローゲンとはリン脂質の一種で、人間をはじめ動物の体内にある物質です。私たちが活動したりものを考えたりすると、神経細胞は酸化されて劣化してしまうのですが、プラズマローゲンにはこの神経細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。脳神経細胞や心筋、リンパ球に特に多く含まれています。

藤野医師たちは60~85歳の軽度ADと軽度認知障害(MCI)の328人を対象に、全国25の施設で試験を行いました。試験では、プラズマローゲンを含む食品(実薬)か、あるいはプラズマローゲンを含まない食品(偽薬:プラセボ)かは、医師や患者に明かさず無作為に行われました。

結果として、軽度ADの患者は記憶力を調べる検査(WMS-Rウエクスラー記憶検査)の結果が改善し、軽度ADにおける77歳以下と女性のグループでは顕著にプラセボ群との差が見られました。また中等度、重度ADを対象にした試験(オープン試験)も実施したところ、中等度のADで約半数が、重度でも約3割が改善しました。幻覚や抑うつ、妄想などの周辺症状も改善したといいます。

藤野医師たちはホタテから抽出したプラズマローゲンを多くの人に提供したいと、民間企業の協力を得て実用化。プラズマローゲンは現在、サプリメントとして市場に流通しています。藤野医師は言います。

「サプリメントはエビデンス(科学的根拠)に乏しいものが多いのですが、ホタテ由来のプラズマローゲンは医療で行われるものと同等の厳しい条件下で試験を行い、結果が出ています。自然由来のものですから体にも優しいサプリメントです」

脳がストレスを受けて疲れてしまうことで、様々な症状が現れる

そもそも、藤野医師はなぜ、プラズマローゲンに着目することができたのでしょう。それは藤野医師のキャリアが物語っています。

藤野医師は1964年に九州大学医学部を卒業し、同学部第一内科で主に心臓や血管(循環器)の臨床、研究を行っていました。患者の中には肥満が原因で心臓が悪化してしまう人も多くいたそうです。肥満に詳しい医師に診てもらって一時的に痩せてもすぐにリバウンドしてしまう。そんな状況を打開したいと研究を続ける中で発見したのが、脳が受けるストレスとの因果関係でした。

「人間の脳には新皮質と旧皮質という2つの司令塔があります。新皮質は思考や学習などの精神活動を、旧皮質は食欲や性欲などの本能や情動を担っています。人が外部からストレスを受けると、まず知的情報を処理する新皮質の機能が悪くなり、それが旧皮質にも影響します。2つはいわば夫婦のようなもので、夫のストレスが妻に伝わり、夫婦関係が悪くなるイメージです。夫婦関係が悪くなると今度は脳と体をつなぐ自律神経に狂いが生じて、不眠や意欲の低下、肥満の原因となる過食などさまざまな症状が現れるのです」

大脳新皮質と大脳旧皮質との関係性

藤野医師は1991年、脳がストレスを受けて脳内の夫婦関係が悪くなった状態を「脳疲労」と定義し、脳疲労を解消する具体的方法として「BOOCS(ブックス)法」を提唱しました。BOOCS法のポイントは3つ。(1)たとえ健康に良いことでも(医師から勧められたことであっても)自分が嫌なことであればしない。(2)たとえ健康に悪いことでも(止めることを勧められたものであっても)自分が好きであればとりあえずそのまま続け、決して止めない。(3)健康に良いことで自分の好きなことを積極的に行う。こうした脳にストレスを与えない生活を心がけることが、生活習慣病や認知症などの予防、改善に有効だと説きます。

2015年には約2万人を対象に15年間の追跡調査が行われ、BOOCS法により死亡率を低下させる事が明らかになり、その結果はアメリカの疫学誌JOEMに掲載されました。その理由は、脳疲労の解消によってメタボリック症候群が改善したためと考えられています。

藤野医師は健康に良い成分にも注目し、長年にわたり研究してきました。その中で出合ったのがリン脂質であるプラズマローゲンです。プラズマローゲンについては1995年にアメリカのチームがAD患者の解剖された脳で減少していることを発見し、その後、カナダや藤野医師のチームが生きているAD患者の血中でも減っていることを確認しました。

「プラズマローゲンを補うことで認知症が改善するのではないか?」。そう考えた藤野医師はさまざまな動物からプラズマローゲンの抽出を試みて、中でもホタテ由来のものが最も質が高いことを突きとめました。

BOOCS法の実践とプラズマローゲンの摂取で脳疲労が軽減

この画像はイメージです

藤野医師は現在、BOOCS法を実践するクリニックを東京都中央区と福岡市博多区で運営しており、認知症の患者も診療しています。中等度のADだった70代の女性はもの忘れや抑うつなどの症状があり、夫とのコミュニケーションも円滑に取れなくなっていました。他院から処方された認知症薬を半年間服用していたものの効果が見られなかったそうですが、プラズマローゲンを毎日飲むことで症状が改善。もの忘れが軽減し、見なくなったテレビ番組にも関心を寄せるようになりました。3ヵ月後にはテレビ番組で見たお笑いのネタを夫に言って笑わせようとするようにまでなりました。夫婦関係も良くなったそうです。

「プラズマローゲンは平たく言うと、脳疲労を解消するものです。新皮質と旧皮質の夫婦関係が悪い人はプラズマローゲンが少なくなり、関係の良い人は増えます。BOOCS法の3つのポイントを実行しながらサプリを飲むことで脳は元気になりやすくなるのです。認知症以外に生活習慣病、うつ病の研究も開始しました。ストレス過多な現代人には広く向いているサプリメントだと言えるでしょう」

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