認知症と生活習慣病の関係

生活習慣病とは

食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、喫煙など、良いとは言えない生活習慣から起こる病気を生活習慣病と言います。糖尿病・脂質異常症・高血圧・脳卒中・肥満などがこれに当てはまり、日本人の死亡原因の2/3は生活習慣病によるものとされています。高齢者の生活習慣病は増え続けており、認知症と大きく関連している事も分かってきました。


生活習慣病が脳に及ぼす影響

脳の血管に障害が起きると、脳血管性認知症が発症しやすくなります。

糖尿病

糖尿病には、1型糖尿病と、2型糖尿病がありますが、生活習慣によって引き起こされるものは2型糖尿病です。生活習慣によってインスリンの分泌が低下したり、インスリンに対して抵抗性が出る事で、血液の中のブドウ糖を処理し切れず、血糖値が高いままになると、脳血管や脳神経に障害が起こりやすくなります。

脂質異常症

血液の中の中性脂肪やコレステロールが多くなり、血管内に溜まる事によって動脈硬化を起こしやすくなります。動脈硬化になると血管内が狭くなるため、血流が悪くなったり、血管がもろくなったりし、結果、心疾患や、脳梗塞、脳出血などが起きやすくなります。

高血圧

最高血圧が140mmHg、もしくは最低血圧が90mmHg以上の場合を高血圧とします。ただ1回測定した結果だけでは高血圧だとは言えず、この状態が続く場合を高血圧と呼びます。血圧が高いという状態は、血管が大きく引き伸ばされる状態が続く事です。その結果、血管が傷み、動脈硬化などを起こしやすく、脳卒中などの原因になります。

脳卒中

心臓近くの血管が詰まると心筋梗塞になりますが、脳で詰まると脳梗塞になり、血管がもろくなっている場合は、脳出血となる場合もあります。また脳卒中の前兆として、TIA(transient ischemic attack)と呼ばれる一過性の脳虚血発作が起こる事もあります。脳卒中になると脳細胞が傷つき、麻痺や言語障害が残りやすくなってしまいます。

肥満

BMI (肥満指数)の値が25以上を肥満と言います。肥満は病気ではありませんが、肥満になる生活をしている事が、様々な病気を引き起こす元になります。糖尿病や脂質異常症などは、肥満との繋がりがあります。また無呼吸症候群になりやすく、脳へ送る酸素が少なくなる事で、脳に障害を引き起こす原因にもなると言われています。


生活習慣病と認知症の関係についてのデータ

高血圧の方は脳血管性認知症のリスクが3.4倍に

生活習慣病は脳血管障害を起こしやすくし、脳血管性認知症の発症に関係しているのではないかと考えられています。1985年から数回に渡り福岡の久山町で行われている調査では、高血圧症の人が正常血圧の人よりも脳血管性認知症になるリスクが3.4倍もある事がわかりました。また50歳以上64歳以下の中年期で高血圧である人は、これよりも高いリスクになる事が判明。この事より、若い頃から血圧が高い人ほど、脳血管性認知症になる確率が高いと言えます。

>>脳血管性認知症についてはこちら

>>久山町研究とは?


糖尿病患者はアルツハイマーの発症リスクが4.6倍に

2型糖尿病は、血管に障害を起こし脳血管性認知症とも関わりがあるとされていますが、アルツハイマー型認知症になるリスクも高いとも言われています。九州大学で行われていた研究の結果、2型糖尿病と関係する高インスリン血症状態が、アルツハイマー型の原因と言われている、アミロイドβ蛋白を分解出来なくする事がわかりました。また、アミロイドβ蛋白と同じく、アルツハイマー型の原因と考えられている、タウ蛋白の変質促進にも関わっているとされています。そして糖尿病の人の発症リスクは、血糖値が正常な人より約4.6倍も高くなっている事も明らかになっています。

>>アルツハイマー型認知症とは


認知症を予防するには、まず生活習慣を改善

認知症は発症するずっと前からの生活習慣の積み重ねが関係します

アルツハイマー型認知症の原因になるアミロイドβ蛋白は、発症の25年も前から溜まりだすというデータがあります。高齢期が65歳だとすると、早い人で40歳から溜まってしまう事になります。アミロイドβ蛋白とインスリンに関係がある事がわかっていますので、糖尿病にならないよう、この時期から注意が必要です。


食生活の改善

食べ過ぎに注意し、食べる時は腹八分に食べる。また甘い物ばかり食べないように注意し、糖尿病を防ぎましょう。お肉ばかりを食べている人は、悪玉コレステロールが増えますので改善が必要です。コレステロール値を上げないよう、海藻や野菜、果物など、バランス良く食べましょう。高血圧にならないように、塩分を控えましょう。飲酒もほどほどに。脳血管性やアルツハイマーではなく、アルコール性の認知症というのもあります。多量に長年飲んでいる人は早めに改善しましょう。


日常生活の改善

小まめに動きましょう。運動が出来るのであればその方が良いですが、途中で挫折しないよう、長く続ける事が大事です。食べてすぐ横になって寝るなどの生活であるなら、それを改善し、日常生活で動く事を意識するようにしてみてください。また喫煙は出来るだけ控えましょう。喫煙は動脈硬化になる危険性が大きいので、認知症の発症リスクも高くなります。ストレスを溜めない生活をしましょう。ストレスから暴飲暴食になったり、睡眠不足になったりします。睡眠不足もまた認知症と関係があるとされています。夜更かしし過ぎないで早く寝る習慣をつけましょう。


生活習慣病を治療する

生活習慣病を疑われても、治療せず放置する人が多いという事がいろんなデータから分かっています。しかし治療も受けず、生活習慣も改善しなければ、良くなるはずがありません。自分が将来癌などになるかもしれないと考える人は多いのですが、認知症になるかもしれないと思う人は以外に少ないものです。自分だけは大丈夫という思いだけでは、予防する事など出来ません。生活習慣病にならないよう、生活を見直し、もし病気になったとしても、きっちり治療をする事が認知症の予防に繋がります。



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