食生活を見直しましょう
生活習慣を改善するためには、日々の食事や運動の習慣を見直すことが重要です。
特に、認知症は生活習慣病(例えば、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常など)との関わりが大きいです。今回は、食事の見直し方について説明します。
高血圧の原因と認知症との関係は?
高血圧は塩分の摂りすぎ、野菜を食べる量が少ない、肥満、運動不足、多量飲酒など様々な要因が重なり合い血圧を上昇させます。特に塩分の摂りすぎは、血液中のナトリウムの濃度が高くなり、のどが渇きます。のどが渇くと、水分を摂ります。その結果、身体の血液量が増えて血圧が上がります。血液量が増えた血管は、常に緊張した状態が続きます。そのため、血管が硬く厚くしなやかさがなくなります。これが動脈硬化です。
動脈硬化が進むと、血管がもろくなり、脳梗塞や脳出血を起こします。その結果、脳血管性認知症が起こりやすくなります。
高血圧の食生活を改善する方法は?
まず、塩分の摂りすぎに注意しましょう。塩分は、塩・醤油・味噌などの調味料だけでなく、加工品、お惣菜、インスタント食品や弁当などにも含まれています。塩分を全く摂らないことは難しいですので、摂りすぎないように心がけることが重要です。
例えば、酢を使う、かぼすやレモンなどの柑橘類を使う、出汁を十分にきかせて旨みを味わう、新鮮な食材そのものの味を楽しむ、減塩の商品を活用する、などを継続しましょう。
また、塩分を身体の外に出す作用がある食材を摂ることも大切です。例えば、野菜です。野菜にはカリウムが含まれているため、ナトリウムを身体の外に出す作用があります。ただし、腎臓の機能が低下している場合、カリウムは摂りすぎないようにしなければなりません。主治医に確認をしましょう。
そして、野菜は食物繊維が豊富に含まれていているため、便秘の予防になります。排便をする際にいきみによって血圧が上がります。そのため、日頃から便通を良くしておくことが大切です。
糖尿病の原因と認知症の関係は?
糖尿病は、糖質の摂りすぎ、肥満や運動不足により、インスリンが十分に働かなくなります。私たちの身体は、食事を摂ると血糖値が上がります。すると、膵臓からインスリンが速やかに分泌され、細胞にブドウ糖が取り込まれて、血糖値が下がります。しかし、インスリンの分泌はされていても働きが悪いと血糖値が高い状態が続きます。
血糖値が高い状態が続くと、血管にダメージが起こり、動脈硬化につながります。高血圧でも動脈硬化について説明しましたが、ひとつの要因だけでなく、様々な要因が関連しあって起こるのが生活習慣病です。
糖尿病の食生活を改善するためには?
糖尿病の場合は、食事量の摂りすぎや、食事のエネルギーを摂りすぎないようにしましょう。例えば、朝ごはん食べなかったから昼ごはんは多めに食べても大丈夫ではありません。腹八分目を心がけて、1日3食、規則正しい食事を摂ることが大切です。
また、外食をする際は、単品の丼物ではなく、色々な食材を少しずつ摂ることができる定食を選びましょう。
その他、食事を摂る際に野菜を最初に食べると、血糖値の上昇を緩やかにしたり、噛み応えのある食材を良く噛んで食べるようにすると食べすぎ防止に役に立ちます。
脳のしくみと認知症の予防方法とは?参考文献:1)厚生労働省 スマートライフプロジェクト血圧(2019年12月12日アクセス)
2)厚生労働省 スマートライフプロジェクト血糖(糖尿病)(2019年12月12日アクセス)
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