認知症のリハビリテーション療法(非薬物療法)とは?
認知症の治療方法の一つとして、リハビリテーション療法(以下リハビリと略します)が挙げられます。
ここでは、リハビリの効能や種類、効果的に行うためのポイントや注意点について説明します。
- この記事の目次
リハビリの効果
認知症の治療には、薬物療法とリハビリがあります。どちらも現在の医療では認知症を完治することは難しいですが、認知症の進行を緩やかにする効果があると言われています。また、認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)の時点からリハビリを積極的に行うように勧められています。
認知症のリハビリは、残された機能を長く維持することが目的です。そのためには、現在の認知機能を低下させないように、正しい日時や場所、人物などの情報を使って見当識を高めようとする「リアリティ・オリエンテーション」という方法があります。しかし、テストのようになってしまうのでは、せっかくのリハビリも楽しくない時間を過ごすことになります。見当識を高めようとすることは大切ですが、無理しすぎないようにしましょう。
一方で、認知以外にアプローチする方法があります。例えば、回想法というリハビリです。回想法は、過去の記憶を話します。人生の中で楽しかったことや、得意だったことを話します。その結果、聴いてくれる人が共感してくれることにより、自尊心を維持することにつながります。
また、音楽療法では、大きな声ではっきり歌詞を歌うことは、腹式呼吸や全身の運動につながります。
一人で歌うだけでなく、合唱を行うことは、一体感を持つことができます。また、「皆と合わせる」ことが良い緊張感を持ちます。
リハビリと言うと、体を動かしやすいイメージがあると思います。体を動かすのはもちろん、書道や俳句会を開催したり、計算や漢字クイズ、練習した合唱を発表する機会をもつなどイキイキした生活につながります。日々の生活の中にリハビリを取り入れて続けていきましょう。
認知症の予防と治療:①認知症の治療とは? 認知症の予防と治療:②非薬物療法とは?参考文献:1)朝田隆 まだ間に合う!今すぐ始める認知症予防 講談社 2014,p76-77
2)今井幸充.認知症を進ませない生活と介護 法研 平成27年,p24‐25
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