「今の生活だと認知症に?」採点手法を開発~星城大学

2016年6月13日

「新聞を読まない」「年金書類が書けない」の発症リスクは

学校法人名古屋石田学園星城大学(以下、星城大学)リハビリテーション学部の竹田徳則教授らは、要介護認定とされる認知症の発症を予測しうる因子を検討し、その結果から認知症発症リスクを点数化するツールを開発。

竹田教授は、6月7日(火)のNHKラジオ第1放送の番組「夕刊ゴジらじ」に出演し、認知症チェックリストのツールについて解説を行った。

同研究では、要介護認定を受けていない高齢者6,796人を対象として5年間追跡。そのうち366人が認知症を発症したが、対象者全員について、ものわすれの自覚の有無、仕事の有無、糖尿病の発症の有無等、個人の属性との関係を分析した。

その結果、13の属性が5年後の認知症発症の予測因子となることが確認された。

例えば、「ものわすれの自覚」がある場合の発症リスクは1.62倍、「新聞を読まない」場合は1.51倍、発症リスクが高かった。「年金書類が作成できない」場合は1.91倍であった。

15点満点 1点と7点ではリスク10倍 予防に生かして

これら因子ごとのリスクを足し合わせて、ゼロ点から15点までで発症リスクを点数化。

研究での追跡開始前にリスクが1点だった人は、5年後に発症する割合は1.3%だったのに対し、7点だった人の発症割合は13.7%と、1点だった人に比べリスクは10.5倍高かった。9点以上になると1点に比べ33.5倍も高くなった。

今回開発したツールはチェックリスト形式となっており、因子ごとに答えるだけでリスクを表すことができるため、専門職でなくても使える。また「新聞を読む」等生活習慣を変えて将来の発症リスクを減らせることを、当事者や家族に示すこともできる。

同研究は、「認知症を伴う要介護認定発生のリスクスコアの開発:5年間のAGESコホート研究」の論文名で日本認知症予防学会誌4月号に掲載。

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▼外部リンク
プレスリリース[pdf]
竹田徳則教授 NHKラジオで解説 星城大学

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