「認知症の人の外出」本人目線でサポートを。シンポ開催
2016年4月11日
認知症になっても、安心して暮らせる社会へ
認知症の人やその家族でつくる「日本認知症ワーキンググループ」(JDWG)が20日、鳥取市内で認知症シンポジウムを開催した。
認知症の人や家族、支援者など一般市民約450人が参加。認知症の人も、またその周囲の人も望みをもって生活できる社会の実現に向け意見が交わされた。
シンポジウムでは認知症の人が、家族・支援者・地域住民と一緒に、より良い社会づくりを考えていきたい、とJDWG共同代表で自身もアルツハイマー型認知症の藤田さんがあいさつ。
「外出には理由や目的がある。」本人の目線で見守りや支援を
JDWGは「認知症の本人からの提案」を公表しており、
「私たちが外出することを過剰に危険視して監視や制止をしないでください。」
「ごく自然な見守りや支えができる地域社会を、一緒につくっていきましょう」(日本認知症ワーキンググループ(JDWG)「認知症の本人からの提案」より )
と伝えている。
外出をテーマにした議論では、「認知症とわかると1人で出かけることを止められる」人が多いと言う話題が上がった。
藤田さんは「私たちも外出するには目的がある。みなさんと一緒」と述べ、「徘徊(はいかい)」という言葉自体にも意見が出された。
認知症が専門である医師の渡辺氏は、「認知症の方は道に迷うが、理由があり外に出る。「徘徊(はいかい)」と言う言葉は誤った認識を与えやすいので直していくべき」と語った。
また、渡辺氏は「支援者は、危険な目に遭わないようにと認知症の方の行動を制限しやすい。認知症の方が外出を通じて社会と関わることを支えるのも重要」と指摘している。
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