Lancet Neurology誌がアルツハイマー病など認知症で特集
認知症に関する74ページの報告掲載
2016年3月16日、The Lancet Neurology Commissionが同年4月に、Lancet Neurology(ランセット・ニューロロジー)誌第15巻全体で、アルツハイマー病やその他認知症のケアや研究の進展について取り上げ、「アルツハイマー病とその他認知症を克服する―欧州の科学と社会の優先課題」と題した74ページにわたる報告を掲載することを発表した。
同報告は、スウェーデンのカロリンスカ研究所アルツハイマー研究センターのベンクト・ウィンブラッド教授主導の下、スウェーデン、フランス、イギリス、オーストラリア、デンマーク、カナダ、スイス、イタリア、ルクセンブルク、アメリカ、ドイツ、オランダの主要研究者によって編纂された。
認知症克服のために
報告では、国際アルツハイマー病協会のWorld Alzheimer Report 2015「認知症の世界的インパクト―有病率、発症率、経費、傾向に関する分析」を支持しており、認知症のケアと研究を向上させるために長期的な政治・経済的関与の重要性が説かれている。
ここでの勧告は、2015年3月の世界保健機関初の「認知症に対する世界的アクションに関する閣僚会合」に続くもので、多国籍の公的な政府機関や学術センター、製薬会社その他が協力して、認知症への医薬品以外のケアに対するインフラの構築・改善が求められた。
施策として大きく要求されたのは、「各国の認知症のケアとインフラストラクチャーを強化する政策を構築する政治的意志の強化」、「認知症患者らを支える社会の発展を含め、あらゆる面での認知症に対する協力関係の構築」「国連障害者権利条約を通じたこれら権利の擁護を含め、あらゆるレベルで認知症患者の権利と声に関心を集める」の3つだ。
国際アルツハイマー病協会は、アルツハイマー病ほか認知症の克服のためには、研究だけではなく政治や経済面での取り組み強化が欠かせないこと、また世界的な協力が必要であることを強く訴えている。
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