60歳以上の受刑者中「認知症傾向のある人」は約14% 【法務省】
65歳以上の高齢入所受刑者、平成7年の約4.6倍に!
法務省は、平成27年1月20日~2月23日の期間、平成26年末時点で60歳以上の受刑者451人を対象に、認知症傾向のある受刑者の推計数算出のための調査をおこなった。
65歳以上の高齢入所受刑者は、ここ20年間増加しており、平成26年は、平成7年の約4.6倍と急激に増えている。入所受刑者総数に占める高齢者率も、上昇傾向にある。
これをうけ法務省では、受刑者の高齢化にともない認知症および認知症が疑われる受刑者への処遇方針等の検討をおこなうため、認知症傾向のある受刑者の調査をおこない、その結果が1月26日に公表された。
20点以下が「認知症傾向のある受刑者」
調査は、平成26年末時点で60歳以上の受刑者から層別無作為抽出法により選定された451人に対し、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)を実施。この評価法は記憶力や計算能力などをチェックすることによって認知症を見極めるという簡単な心理検査で、30点が満点。20点以下だと認知症が疑われる。
今回の調査では、得点が20点以下であった者を「認知症傾向のある受刑者」とし、調査が実施できた429人のうち、59人が20点以下という結果となった。評価テストは、刑事施設職員がおこない、医師による診断はおこなわれていない。
60歳以上の受刑者中、認知症傾向のある者は約14%
これにより、60歳以上の受刑者の中で認知症傾向のある受刑者は約14%、全国におよそ1300人いると推計。さらに65歳以上に対する分析では、認知症傾向のある受刑者は約17%、全国におよそ1100人と推計された。
なお、層別無作為抽出法により選定された451人の内訳は、男子408人、女子43人。男女別の調査結果では、認知症傾向のある受刑者の割合において、統計的に有意な男女差は認められなかった。
女子受刑者については、調査対象者109人分を追加して、分析結果の妥当性が担保される人数に調整し、追加人数は、女子受刑者の分析のみに用いた。
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長谷川式簡易知能評価スケール(改訂版)
▼外部リンク
法務省「認知症傾向のある受刑者の概数調査結果の公表」
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