活躍が期待される認知症介護ロボットの最前線
多様化する認知症介護ロボット
(画像 Dick Thomas Johnson)
認知症介護ロボットの進化が目覚ましい。多くの企業がハード・ソフトの両面で認知症介護ロボットを開発しており、その見た目や機能、効果などは多種多様だ。
認知症の改善や予防だけでなく、介護者の介助の際の負担軽減や人手不足の解消など、多方面で期待の寄せられる認知症介護ロボットが、どれくらい存在し、どのような機能を持つのかをまとめた。
パルロ
(参照元 FUJISOFT)
まるみをおびた見た目や愛らしい動作で、親しみやすくデザインされている。ゲーム、ダンス、クイズ、レクリエーションの司会進行など、すでに介護の現場で実際に活躍している。また、積極的に話しかけてくるため、コミュニケーションをとることで、認知症予防やボケ防止、うつ予防などの効果を得ることができるという。
NAO
(参照元 NAOロボット)
身長58cm、二足歩行の人型で、まるくかわいさの際立つデザイン。支援ロボットとして驚異的な表現力を持ち、双方向の会話だけでなく、相手の気分を察知したり、家族全員の名前をおぼえるなど、パーソナルな情報を把握することができる。また、九九の学習補助など認知機能を刺激する機能を持つ。
うなずきかぼちゃん
(参照元 うなずきかぼちゃん)
小さな子どものような容姿の「スマイルサプリメントロボット」。ゆっくりはっきりしゃべるため、高齢者でも安心して会話ができる。歌に合わせて体操をしたり、時間や季節を共に楽むといった情緒ある行為が可能。会話を重ねると言葉が増える点も特徴だ。また、かぼちゃんと生活をともにすることで、認知機能の向上や疲れにくさ、癒やしなどの効果を得られる。
pepper (ニンニンpepper)
(参照元 ニンニンpepper)
上半身が人型のパーソナルロボット。会話に加え、感情認識、移動機能を備える。好奇心旺盛なロボットで、利用者の精神状態を認識し適応したり、自身の感情を伝えたりすることができる点が特徴。
ニンニンPepperは、認知症患者のサポートに特化したロボットアプリ。その名は「認認介護」に由来し、認知症患者が今後ますます増えていく社会への対応を目的として開発された。利用者との会話を通して見守りと介護サポートの役割を行いつつ、認知症を抑制する効果を見込めるという。
パロ
(参照元 大和ハウス工業株式会社)
デザインは、タテゴトアザラシの赤ちゃん。センサーや人工知能で人間の五感を刺激する、癒やし系のロボット。アニマルセラピーと同等の効果が得られ、世界で最もセラピー効果があるロボットとしてギネス認定を受けている。すでに介護や福祉の分野で導入されており、認知症患者の脳機能を改善する効果や認知症を予防する効果があることが分かっている。
PaPeRo petit
(参照元 NEC)
クラウド連携型ロボットプラットフォームとして、カメラ、マイクなど内臓の小型の置き型ロボットと、専門家や家族と情報をシェアできるクラウドサービスの連携が特徴。見守り対話、センサー情報などをクラウドに集め、生活支援や健康相談に役立てることが可能。
ケアロボ
(参照元 株式会社テクノスジャパン)
在宅ケア全般を担う、見守り介護ロボット。徘徊センサーや見守りセンサーなど各種センサーが付属したロボットと、訪問介護や看護に対応した在宅高齢者ケアネットワークが特徴。認知症患者を抱える家族などの多様なニーズに応える介護ロボット。
まとめ
今回取り上げた7つのロボットだけでも多様性があり、予防や介護の現場で、それぞれのロボットが具体的にどういう役割を果たせるかが明確だ。また、新たにアプリケーションをインストールすることで異なる役割を果たせるロボットも次々と出ており、ハード面だけでなく、ソフトの開発が進むに連れてより多くの課題解決が期待できる。
これからますます医療や介護の場に登場するであろう認知症介護ロボット。その普及と介護現場のニーズに寄り添った進化が期待される。
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