認知症800万人時代にどう対応するか。「社会とともに歩む認知症の本」刊行

2015年10月20日

社会全体でどう対応し支えていくか

日本は超高齢化社会を迎え、認知症患者800万人といわれるほど、認知症は今や大きな社会問題となっている。

宮澤氏は、『認知症に向き合う本』出版以来、6年間、医療・介護に携わる専門職の人や認知症当事者、その家族らとの交流を通し、認知症に関する医療・介護の流れと日本の超高齢社会がどこに向かおうとしているのかを考えてきた。

高齢社会において、認知症は避けられない問題であり、介護者や家族が個別に対処していくには限界がある。社会保障制度を含め、社会全体でどう対応し支えていくかを、もっと視野を広げて考えていく必要があると、著者は説いている。

家族、医療・介護従事者に向けて

この本は、認知症の専門書ではあるが、認知症である人やその介護者が仮名で登場するストーリー仕立てになっており、介護現場の状況に真摯に寄りそった内容になっている。

第1章「予想を超えて増える認知症」では、「もの忘れ外来」や「もの忘れ検診」を通して認知症の治療・診断・予防の最新知識を、第2章「明るい認知症闘病生活をめざして」では、「認知症カフェ」の紹介など、主に看護・介護に携わる人に向けてコミュニケーションの大切さを説いている。

第3章「深刻化する認知症患者」では、地域包括ケアなど認知症の人をめぐる現在の情勢について、第4章「未来を夢見て連帯の力で」では、海外の認知症事情の紹介に加え、介護従事者の処遇をめぐる問題など、政治に基づく制度改革がどのような影響を与えているかが書かれている。

認知症患者の家族はもとより、医療・介護従事者を含め、関心のある多くの人々に読んでもらいたい著書だ。

日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医が執筆

著者の宮澤氏は、福岡県出身の日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医だ。

現在は横浜勤労者福祉協会・汐田総合病院のリハビリテーション科部長を務めており、2009年には著書『認知症に向き合う本』を出版するなど、認知症をとりまく現状には深い造詣がある。

(画像はAmazon.co.jpより)

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