アルツハイマー病の66%は肥満、高血圧、うつ病、などが関連
アルツハイマー病の66%は肥満、高血圧、うつ病、などが関連
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のJin-Tai Yu 氏らの研究グループは、8月20日の「Journal of Neurology, Neurosurgery& Psychiatry」オンライン版で、生活習慣における9つの要因がアルツハイマー病に寄与している可能性があることを発表した。
その9つとは、肥満(特に中年期の高BMI/肥満指数)、頸動脈疾患、高血圧、うつ病、脆弱性、教育水準の低さ、ホモシステイン値の高さ、喫煙(アジア人のみ)、糖尿病で、複雑な統計解析により世界のアルツハイマー病の66%はこの9因子が関連していることが判明した。
なお、研究で認められたのは、あくまで相関性のみで、特定の因子とアルツハイマー病リスクとの因果関係ではないことから、1つの因子を解消することによりアルツハイマー病の予防効果がどの程度得られるかを判断することはできないとしている。
少量または適度の飲酒、喫煙などにもリスク低減効果が認められる
今回の研究では1968年~2014年の期間に計5,000人以上を対象に実施されたアルツハイマー病のリスクをもたらす可能性がある93因子についての研究成果323件の調査が行われた。
その結果、リスク低減のエビデンスが得られたのはコーヒー、ビタミンCおよびE、葉酸、NSAIDS(抗炎症薬)、スタチン(コレステロール低下薬)、血圧降下薬、エストロゲン補充で、少量または適度の飲酒をする人、現喫煙者(アジア人を除く)、ストレスを抱える人、ボディマスインデックスの高い高齢者についても同様の効果が認められている。さらに、関節炎、心疾患、メタボリック症候群、がんなどの重篤疾患を抱える患者もリスクが低いようであったとしている。
なお、米ロチェスター大学(ニューヨーク州)のAnton Porsteinsson氏は、血圧、コレステロール、運動などに気を配ることは有益ではあるが、錠剤や栄養補助食品、単一の薬剤を用いるなどの短絡的な方法には効果の裏付けがなく、おそらくリスクは低減できないだろうとしている。
▼外部リンク
Journal of Neurology, Neurosurgery& Psychiatryホームページ
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