そーせいグループ、認知症の経口投与治療薬の治験が良好な結果で終了と発表

2015年6月23日

ムスカリンM1受容体作動薬「HTL9936」

そーせいグループ株式会社は、子会社である Heptares Therapeutics (ヘプタレス・セラピューティクス社)が開発中の選択的ムスカリンM1受容体作動薬「HTL9936」について、前期第1相臨床試験が良好な結果で終了したことを、6月17日に発表した。

製薬会社は、長年M1受容体の作用が認知機能障害の治療に有効であることを証明するための研究をおこなってきたが、どれも良好な結果が得られていなかった。ヘプタレス社は、世界で初めて作動薬に適したM1受容体のX線結晶構造を解明し、M1受容体作動薬の有力な開発候補品を創薬することに成功した。

前期第1相臨床試験を実施

今回、前期第1相臨床試験が、84名の健常である人を対象に実施され、安全性、忍容性、薬物動態、ならびに脳活動の活性化の検証をおこなった。

その結果、「HTL9936」投与後の脳波検査によって脳活動の活性化の兆候が確認され、他の認知機能改善治療薬と同様の作用が見られた。また、脳活動を活性化する臨床用量においても良好な忍容性を示し、有害事象は認められなかった。さらに脳脊髄液中の「HTL9936」の濃度測定でも、脳への良好な送達が示され、有害事象の発生も認められなかった。

同試験によって、非臨床試験では確認されていた選択的 M1受容体作動薬が、健常である人においても確認されたこととなる。ヘプタレス社は、患者を対象としたPoC臨床プログラムを準備中で、2017年末までに終了する予定だ。

さらに有効性と安全性の検証を

ヘプタレス社のチーフ・メディカル・オフィサーのティム・タスカー氏は、「HTL9936」 は、アルツハイマー病や認知症など重篤な神経疾患を患っている患者の記憶力や思考能力を改善することを目的として開発された、世界初の経口投与治療薬だと述べ、さらに研究開発に力をそそぎ、「HTL9936」の有効性と安全性を検証していくと語っている。

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▼外部リンク
そーせいグループ株式会社 プレスリリース


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