『大家さん白書2025』約6割が高齢者の入居に抵抗感あり

日本の高齢化社会における賃貸経営の現状と課題
賃貸経営情報誌『オーナーズ・スタイル』の株式会社オーナーズ・スタイル(東京都中央区)が創刊20周年を記念して発刊した『大家さん白書2025』(A4サイズ・84ページ)の調査から、日本の高齢化社会における賃貸経営の現状と課題が明らかになりました。特に、賃貸住宅オーナーが高齢者の入居に対して抱く意識と、それに伴う具体的な対策の重要性が浮き彫りになっています。
大家さんの約6割が高齢者の入居に抵抗感
「大家さん白書2025」の調査によると、一人暮らしの高齢者(65歳以上)を賃貸物件に受け入れることについて、大家さんの約6割(63.0%)が「抵抗感がある」(19.0%)または「少しある」(36.9%)と回答しています。これは、多くの大家さんが高齢者の入居に対して、何らかの心理的なハードルを感じている現状を示しています。

不安の最多は「孤独死」、実際の困りごとは「病気・怪我」
大家さんが高齢者の入居に関して抱く不安は多岐にわたりますが、最も多く挙げられたのは「孤独死」で、実に71.6%に達しました。これに次いで、「認知症」が51.1%、「病気・怪我」が47.0%、「ボヤ、火災」が44.1%と続き、健康面や生活面でのトラブルへの懸念が高いことが示されています。

しかし、実際に高齢者を入居させた経験のある大家さんからの「困りごと」で最も多かったのは「病気・怪我」で14.7%でした。一方で、「孤独死」は12.8%にとどまっており、事前の不安と実際の困りごとにはギャップがあることが判明しました。このデータは、大家さんが日々の賃貸経営で直面する可能性が高いのは、病気や怪我といった日常的な健康問題であることを示唆しています。
「見守りサービス」や「孤独死保険」が受け入れ促進のカギ
高齢入居者に抵抗感がある大家さんに対し、特定の支援サービスがあれば受け入れを検討するかを尋ねた結果、「倒れた時などに早期発見できる見守りサービスを導入したとしたら、高齢者を入居者として迎えますか?」という問いに対し、高齢者入居に抵抗感がある大家さんのうち、30.9%が「はい」と回答。
また、「孤独死保険を契約したとしたら、高齢者を入居者として迎えますか?」という問いに対しても31.6%が「はい」と回答しました。これらのデータは、具体的なサポート体制があれば、抵抗感のある大家さんの約3割が受け入れを前向きに検討する可能性を示しています。


オーナーズ・スタイル統括編集長・上田英貴さんのコメント
高齢化社会において、賃貸住宅が高齢者の住まいとして果たす役割は増大しています。弊社の調査から、「孤独死」や「病気・怪我」といった大家さんの不安が、解決すべき「リアル」な社会課題であることは浮き彫りになっています。
大家さんが安心して高齢者を受け入れられるよう、孤独死保険や見守りサービスといった具体的なサポート体制の普及が不可欠です。特に、2025年10月に施行予定の改正住宅セーフティネット法による「居住サポート住宅」への支援創設は、高齢者の住まい確保に大きな期待を抱かせます。
オーナーズ・スタイルとしても、大家の皆さまをはじめ、関連業界や行政機関と連携し、誰もが安心して暮らすことができるような社会の実現に向けて貢献していきたいと考えております。
調査概要
●調査手法 :郵送及びインターネット
●調査時期 :2024年12月
●対象者条件 :賃貸経営情報誌「オーナーズ・スタイル」読者の大家さん(関東、関西、東海エリア)、アパート、マンションを1棟以上所有している人
●有効回答数 :793人
本調査データをもとに考察した記事をオーナーズ・スタイル・ネットに掲載しています
『大家さん白書2025』は初回100冊限定で好評販売中。販売価格/書籍版:価格30,000円(税別)、PDF版:60,000円(税別)。詳しくは
オーナーズ・スタイル公式HPをご覧下さい。
(文頭画像はイメージ、文中画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大家さんの約6割が高齢者の入居に抵抗感あり。そのうち約3割が孤独死保険や見守りサービスの導入で「入居OK」に!?
オーナーズ・スタイル公式HP
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