「介護美容」の実証研究を日本認知症ケア学会で発表
認知症を持つ方との「共生社会」実現へのヒントとなるか
高齢者向け美容サービスを専門とした人材を育成する「介護×美容」専門のプロフェッショナルスクール「介護美容研究所」を運営する、株式会社ミライプロジェクト(東京都渋谷区)は、2023年7月~2024年1月に介護美容が高齢者ケアに与える効果に関して実証研究を行い、結果を2024年6月15日、16日に東京国際フォーラムで開催された「第25回 日本認知症ケア学会大会」で発表しました。
本研究は、東京都と大阪府の施設に介護美容の専門家を派遣し、介護美容施術が高齢者の身体・精神・認知的側面に効果を与えるかを約半年間かけて調査しました。「介護美容」の医学的・科学的なエビデンスを収集・分析し、研究成果を「介護美容サービスのさらなる普及」「安心・安全な介護美容サービスの開発」に繋げ、高齢者がより質の高い生活を送り続けるための高齢者福祉・介護施策の一助となることを目指して調査は行われました。
発表された演題は以下の2つです。
①「介護美容導入の効果と持続性―高齢者施設における実践と評価」
②「データに基づく介護美容の有効性の検証―ネイル施術による要介護認定高齢者への身体・認知・社会的側面への影響」
結果・考察
演題①については、次のような結果と考察が得られました。
・身体・精神への改善傾向が一部みられたため、さらなる検討が必要。
・聞き取り調査の結果、80%の施設職員から介護美容施術を継続希望という結果が得られた。施設職員や家族の理解による継続性の確保は必要と考えられる。
演題②については、次のような結果と考察が得られました。
・複合的な美容施術により、要介護認定を有する高齢者のリハビリへの参加頻度の上昇や認知機能の維持が見られた。
・これらの結果より、介護美容施術は認知症高齢者の生活のしやすさに影響を与える可能性があると考えられる。
同社では、今後も今回の実証研究を継続し、有効性を検証していく予定であり、「認知症重症化予防および高齢者ケアへの知見を提供し、高齢者が質の高い生活を送り続けられるような高齢者福祉・介護施策へとつなげることができるよう目指す」としています。
(画像はプレスリリースより)
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