介護施設入居のタイミング、「きっかけは認知症」が46%と最多
介護施設入居に関する実態調査
日本最大級の老人ホームポータルサイト「LIFULL 介護」を運営する、株式会社LIFULL senior(東京都千代田区)は、介護施設へ入居するきっかけや介護施設への入居を検討し始めた時期などの実態を把握するため、1年以内に家族または親族が介護施設に入居予定の方などを対象に「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」を実施しました。
調査結果のポイントは次のとおりです。
・入居を決めたきっかけとして46%が認知症を、33.3%が認知症以外の疾患をあげている
・認知症の症状の中できっかけとなった理由として多く挙げられたのは「排せつの失敗」「お金の管理ができない」
・認知症以外の疾患では「骨折」「脳血管疾患」が最多で、「糖尿病」がそれに続く
・入居前、自宅での介護期間は1年以上2年未満が18.5%で最多
・50%超が、要介護2以下で介護施設へ入居している
50%超が、要介護2以下で介護施設へ入居している
入居時の要介護度として最も多かったのが、立ち上がりや歩行などが自力で出来ない場合が多く、排泄や入浴などにも介助が必要な「要介護2」という状態で、全体の16.7%を占めました。「要介護1」の15.8%、「要介護3」の15.4%、「要介護4」の12.7%と続きます。
公的な介護施設である、特別養護老人ホームへの入居条件は原則として要介護3以上です。しかし、今回の調査では要支援1以上、要介護2以下で施設へ入居した方が54.6%を占め、介護度が比較的軽度でも施設入居を必要とすることは珍しくないと言えるでしょう。
入居のきっかけとなった状況の第1位は認知症
入居を考えるきっかけとなった状況について聞いたところ、46.0%に「認知症」が、33.3%に「認知症以外の疾患」があったという結果になりました。また、「入院していた」は29.6%、「特に疾患がなかった」 は12.7%となりました。
症状では「排せつの失敗」「お金の管理ができない」 が上位
入居を考えるきっかけとして認知症の症状をあげた920人に、介護施設入居に強く影響した認知症の症状を3つまで聞いたところ、「排せつの失敗をする」(32.3%)、「お金の管理ができない」(29.0%)、「怒りっぽくなる、暴力をふるう」(18.2%)が上位3項目となりました。これらの症状が、自宅での生活を続けられるかどうかに大きく関わっていると言えます。
認知症以外の症状では「骨折」「脳血管疾患」「糖尿病」
認知症以外の症状が入居のきっかけとなったと答えた666人に、強く影響した症状を3つまで聞いたところ、「骨折」と「脳血管疾患」が共に17.0%でトップとなり、次いで「糖尿病」(15.9%)という結果になりました。
骨折や脳血管疾患は、それがきっかけで日常生活に影響が出ると考えられますし、糖尿病は食事のコントロールを専門家に任せたい疾患であるため、それぞれが上位にあがるのも納得の結果と言えるのはないでしょうか。
約6割が自宅で介護をしてから3年未満で入居を決める
入居前にどれだけ自宅で介護をしていたかを聞いたところ、介護をしていたケースでは「1年以上〜2年未満」が18.5%で最も多く、次が「2年以上〜3年未満」の14.4%、「6ヶ月以上〜1年未満」が12.1%で続く結果になりました。自宅での介護期間があるケースでは3年未満の合計が59.6%と、約6割のケースで自宅介護から3年以内に施設介護へと切り替えていることがわかります。
また、「自宅での介護期間はない」と答えた方は15.4%となり、全体では2番目に多いケースであることがわかります。ケガや病気で入院し、退院後に自宅で暮らすことが難しくなったケースなどが考えられます。老人ホームへの入居は自宅介護の末にたどり着くものというイメージが強いですが、突然入居が必要となり、急いで情報収集をしなければいけなくなることもあるのです。
「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」調査概要
調査時期:2023年7月4日~7月7日
調査対象:全国の20歳~79歳 男女2,000名 ※未既婚不問、有無職不問
・家族、親族の中で1年以内に介護施設入居者(*)がいる方
・家族、親族の介護施設の情報収集や選定に関与した方
*「介護施設」:介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、グループホーム、ケアハウス、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(介護医療院)
調査手法:インターネットによるアンケート調査
調査主体:株式会社ネオマーケティング
有効回答数:2000
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
介護施設入居のタイミングに関する調査「きっかけは認知症」が46%と最多
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