中高年期からパソコンを始めた人は認知症になりにくいってホント?

2015年4月15日

趣味や手仕事、ネットゲームの効能

絵を描いたり、細かい手作業でものを作ったりするのが趣味という老人、パソコンに向かってネットゲームやネットサーフィンに興じるちょっと不良の老人は、実は認知症を発症するリスクが低いという研究が、アメリカで報告された。

この研究は、国立老化研究所、およびメイヨー財団の支援プロジェクトによっておこなわれ、2015年4月8日、アメリカ神経学会発行の医学専門誌「Neurology」オンライン版に掲載。

ライフスタイルの変革

今や、85歳以上の高齢者が増加傾向にあるという現象は、世界中がかかえる問題。アメリカの多くの中高年が、老い先に、記憶力と軽度認知障害発症への危機感を抱いている。この報告の研究者であるRosebud Roberts氏は、「ライフスタイルを変革することが重要である」とのべている。

同研究の調査は、思考や記憶力に問題のない平均年齢87歳の256名を対象におこなわれた。調査対象者は、各自さまざまな活動に参加。絵画、ドローイング、彫刻など芸術関係。木工、陶芸、セラミックス、キルティング、縫いものといった工芸関係。

あるいは演劇、映画、コンサート、友人との交流、読書会、聖書研究や旅行など社会的な活動。またはウェブ検索やオンライン購入、コンピュータゲームなどのインターネット活動。

MCIのリスクに明らかな差

4年後にふたたび調査をした結果、121人が軽度認知障害(MCI)を発症していた。調査によると、中高年を過ぎてから芸術にたずさわった参加者は、芸術活動に参加しなかった人より、MCIの発症が73パーセント少なかったという。

同じく歳をとってから工芸を楽しんだ人は、活動に参加しなかった人にくらべ、MCIの発症が55パーセント少なかった。さらに社会活動に参加した人は、参加しなかった人より45パーセント、インターネット活動にいそしんだ人は、それを楽しまなかった人より発症が53パーセント低いという結果が報告された。

若いうちは、勉強や仕事、生活に追われ、趣味や娯楽などままならなかった中高年者。これからは、好きなことに没頭しよう!手仕事にハマろう!インターネット・オタクをめざそう!

(画像はイメージです)

▼認知症予防、趣味も良いけど、運動もね!

▼外部リンク
アメリカ神経学会 プレスリリース

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