神経筋電気刺激(EMS)と認知機能に関する研究成果

2022年12月13日

下腿部(下腿三頭筋)への刺激が効果的

株式会社MTG(愛知県名古屋市)と金沢大学らのグループによる、認知機能に対する骨格筋電気刺激に関する研究成果が国際的なジャーナル誌『European Journal of Applied Physiology』に掲載されました。

脳由来神経栄養因子(BDNF)は、主に脳の記憶を司る海馬に発現する神経性因子であり、学習、記憶、認知に関わっていることが知られています。アルツハイマー病患者では、海馬におけるBDNFの発現が低下しており、近年はうつ病や心不全、パーキンソン病といった様々な病気でもBDNFの発現量が低下していることが報告され、BDNFの低下は種々の病気の重篤化にも繋がることが指摘されています。

BDNFは脳内の海馬のみならず、骨格筋細胞からも発現することが動物研究から報告されており、運動は認知機能改善に有効な手段として注目されつつありますが、BDNFの発現量は運動の負荷量に依存しており、低負荷な運動では発現量が少なく、高齢者や有疾患者では効果的な介入方法がないのが現状でした。

認知症患者への新たな介入方法として期待

本研究では、筋肉に対して電気刺激を行う神経筋電気刺激(EMS)を用いて、血中BDNFの発現量を検討しました。その結果、EMSにて刺激する筋肉量が多いほど血中BDNF濃度が増加することや、約20分間にわたりBDNFの発現量が増加していくことを確認しました。さらに大腿部よりも下腿部(下腿三頭筋)への刺激が効果的であることを見出しました。今後認知症患者などの有疾患者への新たな介入方法としての応用が期待されます。

詳しくは下記外部リンクよりご覧ください。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
EMSと認知機能に関する研究成果が『European Journal of Applied Physiology』に掲載


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