腹腔細胞が老化による認知機能低下を改善することを発見
高齢者の認知機能老化の予防・改善に可能性
東邦大学医学部の武井義則准教授と杉山篤教授、京都大学の平澤明准教授、立命館大学の高田達之教授らの研究グループは、高齢マウスを使って、腹腔細胞の老化改善が認知機能老化の改善につながることを見出し、ヒトの60歳ごろに相当するマウスの認知機能を、20〜30歳ごろと同等に改善することに成功しました。今後さらに検討を進めることで、高齢者の認知機能老化の予防や改善が可能になることが期待されます。
運動習慣が老化の進行を遅らせる一方で、肥満はその進行を早めるなど、日常の生活習慣が老化の進行に影響すると考えられていますが、未だ老化した脳機能を改善する方法は確立されていません。
今回の成果は、自然に起きる生理的な老化の予防法や改善方法の開発の基盤となり、高齢者のQOL向上に貢献するとともに、認知症などの老化とともに発症リスクが上昇する疾患、加齢関連疾患の予防法の開発などに結びつくものと期待されます。
研究成果のポイントは次の通りです。
・ケモカインCX3CL1を高齢マウスの腹腔に投与すると、老化によって変化した腹腔細胞の性質が回復し、老化した認知機能が改善することを明らかにした。
・CX3CL1投与によって老化が改善した腹腔細胞を別の高齢マウス(ヒトの60歳ごろに相当するマウス)に移植すると、認知機能が回復(20-30歳ごろと同等)することを明らかにした。
・腹腔細胞の老化と認知機能老化との関係性を明らかにした。
・生理的な認知機能老化を予防あるいは改善して高齢者のQOL向上に貢献しうる。
・老化とともに発症リスクが上昇する疾患の予防法開発に結びつくものと期待される。
この研究成果は2022年5月20日にAmerican Aging Associationの学会誌「GeroScience」のWeb siteに先行発表されました。詳しくは下記外部リンクよりご覧下さい。
(画像はイメージです)
▼外部リンク
東邦大、腹腔細胞が老化による認知機能低下を改善することを発見
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