書籍『記憶とつなぐ』、双葉社より発売

2022年4月29日

若年性アルツハイマー型認知症と生きる夫婦の物語

書籍『記憶とつなぐ 若年性認知症と向き合う私たちのこと』(税込1,650円)が双葉社より発売されました。46歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫とそれを見守る妻が、診断から現在に至るまでの心境とともに、認知症をとりまく現在の状況を綴った一冊です。

認知症は、誰がいつ発症してもおかしくない身近な病気で、2025年には高齢者の5人にひとりが発症するとも言われています。本作では、認知症と診断されてから、どんなことに絶望し、救われ、どのような日々を過ごしてきたか、そしてなぜポジティブにものを考えられるようになったかを、当事者とその家族の視点から包み隠さず記します。

京都市の下坂厚さんは46歳の夏、アルツハイマー型若年性認知症の診断を受けました。もの忘れ外来を受診し「病名を聞いたときは、比喩でなく、本当に目の前が真っ暗に」なったと言います。診断後、働いていた鮮魚店を辞め塞ぎ込んでいた下坂さんを妻の佳子さんは見守り続けました。認知症当事者を支援する団体との出会いをきっかけに、下坂さんは介護施設でケアワーカーとして働き始めます。そして、現在は認知症について広く知ってもらうための啓蒙活動にも尽力しています。

著者の写真展も開催

また、診断後はカメラにふれることすらできなかったという趣味の写真撮影も再開、日々SNSなどで発信しながら、写真展を開催するまでに。5月には、京都市内の書店にて、書籍発売を記念した写真展も開催の予定です。

当事者であり著者の下坂厚さんは本書の「はじめに」で、次のように語っています。
「ぼくが認知症の当事者として生きるようになってから、3度目の冬を過ごしています。ぼくは今、毎日元気に働いています。趣味の写真撮影も楽しみながら続けています。認知症の啓蒙活動も積極的に行っていて、全国にかけがえのない大切な仲間ができました。認知症になったからこそ手にすることのできた素晴らしいものが、今のぼくにはたくさんあります。 『認知症は怖い病気』『認知症になったら終わり』というイメージを、ぼくの生き方を通して、少しでも明るいほうへ変えていけたら嬉しいです。」

(画像はプレスリリースより)

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