産総研とU-Factor、幹細胞培養上清液を用いた共同研究を開始
幹細胞培養上清液の成長因子活用のためのメカニズムを研究
アルツハイマー型認知症の製剤化を目指す株式会社U-Factor(東京都千代田区)は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(東京都千代田区)の研究グループと共同で、同社が研究開発している乳歯由来歯髄幹細胞培養上清液のメカニズム解明に向けた研究を開始しました。
人間の細胞はケガ、病気、老化などで損なわれていきますが、その損なわれた細胞を修復するのが、幹細胞と言われる特殊な細胞です。幹細胞は自らが様々な細胞に分化(変身)し、再生する細胞です。幹細胞を培養するときに分泌される幹細胞培養上清液には数千種類の成長因子が含まれており、これを使用することで、体内の細胞組織の再生を促し、幹細胞移植治療と同等の治療効果を期待できることが近年の研究で分かってきました。
認知症など難病治療への活用目指す
本共同研究では、U-Factor取締役で幹細胞培養上清液研究の第一人者である、名古屋大学大学院医学研究科の上田実名誉教授が開発した乳歯髄由来の幹細胞培養上清液を提供し、産総研にて幹細胞培養上清液のメカニズムや、臨床研究に向けた様々な基礎研究を行っていく予定です。乳歯由来の幹細胞培養上清液は、他の間葉系由来の幹細胞培養上清液に比べて成長因子を豊富に含んでおり、体内の幹細胞を活性化させる効果を期待できます。
研究は今後数年かけて実施され、幹細胞培養上清液の産業化を目指します。U-Factor社は、アルツハイマー型認知症の治療薬をつくり、「アルツハイマー病ゼロ社会の実現」をミッションとする企業であり、上田実名誉教授が開発した乳歯髄由来の幹細胞培養上清液の基礎研究、製剤化を目指しています。
同社は、「本共同研究を通じて、アルツハイマー型認知症や様々なアンメットメディカルニーズに応える新薬開発に取り組んでいく」とし、今後の取り組みについては、「世の中には有効な治療方法が確立されていない病気が多数存在し、そのような疾病に対して、幹細胞培養上清液の安全性・有効性を検証していく予定である」と述べています。
(文頭画像はイメージ。文中画像はプレスリリースより)
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