横浜市大ら、神経回路形成因子LOTUSの記憶機能制御を明らかに

2021年3月15日

LOTUSが欠損すると記憶機能が低下

横浜市立大学大学院生命医科学研究科の竹居光太郎教授と東京大学大学院農学生命科学研究科の喜田聡教授の研究グループは、神経回路形成因子LOTUSが記憶機能を制御することを発見しました。

神経回路形成因子LOTUSが、記憶に関連する脳部位である海馬において、神経細胞のつなぎ目であるシナプスの形成を促進するもので、LOTUSが欠損するとシナプスが減少し、記憶機能が低下することが明らかにしたものです。今後、LOTUSのさらなる解明が進むことにより、健忘症や認知症の予防と改善に資することが期待されます。

LOTUS遺伝子欠損マウスを用いて検証

本研究グループの竹居光太郎教授らは、嗅覚情報を伝える神経回路の形成に重要な分子として神経回路形成因子LOTUSを2011年に発見しました。LOTUSは強力なNgR1拮抗物質としてNogoの作用を抑制することで、神経回路形成や神経再生を促進することが明らかとなっていました。

LOTUSは健常な成人の脳には豊富にありますが、加齢に伴い徐々に減少します。その減少が一因となって記憶機能の低下が起きると想定されますが、シナプス形成や記憶機能にLOTUSがどう影響するかは明らかとなっていませんでした。

今回の研究では、LOTUS遺伝子欠損マウスを用いて、LOTUSがシナプス形成や記憶機能に与える影響について検討し、LOTUSが欠損すると記憶形成に重要なシナプスが減少し、記憶機能も低下することが示され、LOTUSは記憶形成に重要な役割を担うことが明らかとなりました。

詳しくは下記外部リンクよりご覧下さい。

(文頭画像はイメージ、文中画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
神経回路形成因子LOTUSが記憶機能を制御する ~記憶障害の改善に期待~


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