塩野義製薬、認知機能改善薬候補の第2相臨床試験を実施

2020年11月6日

第2相臨床試験の良好な結果を発表

塩野義製薬株式会社(大阪市中央区)は、認知機能改善薬候補「BPN14770」について、グループ会社であるTetra社が実施した脆弱X症候群(Fragile X Syndrome: FXS)患者を対象とした第2相臨床試験で良好な結果を得ました。

「BPN14770」は、脆弱X症候群(FXS)、アルツハイマー型認知症およびその他の認知症、学習/発達障害、統合失調症などの治療が困難な中枢神経疾患における認知および記憶機能を改善する可能性があります。既に実施されたアルツハイマー型認知症を対象とした第2相臨床試験においては、認知機能の改善傾向が確認されています。また、非臨床試験において、脆弱X症候群FXS患者で損なわれていることが報告されている神経細胞同士の結合に対して、「BPN14770」投与による成熟促進が見られています。

言語領域における認知機能の有意な改善を確認

第2相臨床試験は、主要評価項目である安全性および忍容性に関して、全例(30例)試験を中止することなく完遂し、良好な安全性と忍容性を示しました。 有害事象の発現率は、「BPN14770」投与時とプラセボ投与時でそれぞれ36.7%(11/30例)と26.7%(8/30例)でした。最も多かった有害事象である嘔吐については、「BPN14770」投与時とプラセボ投与時の発現頻度はそれぞれ10.0%(3例)と6.7%(2例)でした。

有効性に関して探索的な評価を行ったところ、NIH-Toolboxを使用した認知機能の評価では、音読認識(調整平均の差 + 2.80、p = 0.0157)、画像語彙(+ 5.79、p = 0.0342)、および認知複合スコア(+ 5.29、p = 0.0018)の項目でプラセボ群に対して統計的に有意な差が見られました。100ポイントの視覚的評価スケールを使用した親あるいは介護者の評価においては、言語(調整平均の差 + 14.04、p = 0.0051)および日常機能(+ 14.53、p = 0.0017)の項目でプラセボ群に対して統計的に有意な差が見られました。「BPN14770」からプラセボにクロスオーバー後も12週間後まで効果が持続しました。

詳しい内容については、下記外部リンクよりご覧下さい。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
塩野義製薬、認知機能改善薬候補BPN14770の脆弱X症候群患者を対象とした第2相臨床試験の良好な結果について発表


このページの
上へ戻る