名古屋大ら、健康診断でパーキンソン病・認知症のリスクを評価
50歳以上の健診受診者からハイリスク者を抽出
名古屋大学大学院の勝野雅央教授、服部誠客員研究員、国立長寿医療研究センターの鷲見幸彦病院長らの研究グループは、難治神経変性疾患の一つであるレビー小体病を対象にした臨床研究において、日本人の一般人口におけるレビー小体病の前駆症状の保有率を明らかにし、自覚症状を有しない50歳以上の健診受診者の5.7%に2つ以上の前駆症状を有するハイリスク者が存在することを見出しました。
勝野教授らの研究チームは、久美愛厚生病院(岐阜県高山市)、だいどうクリニック(愛知県名古屋市)の健診センターと連携し、これらの施設の健診受診者(年間12,378名)を対象にしたレビー小体病の前駆症状に関する質問紙調査とハイリスク者のレジストリ(登録システム)構築を目的として、研究を実施しました。
その結果、50歳以上の健診受診者の5.7%が2つ以上の前駆症状を有するハイリスク者に該当し、男性のハイリスク者では貧血やコレステロールに関する採血項目で、前駆期のレビー小体病患者に類似した低値を示すことを明らかにしました。
神経症状を有しないハイリスク者を通常診療で同定することは極めて困難ですが、本研究の結果から、健康診断制度を活用したレジストリにより、質問紙による簡便な調査で神経変性疾患のハイリスク者の抽出が可能であることが示されました。今後、レビー小体病の先制治療を目指したハイリスク者の臨床研究に着手する予定です。
本研究成果は、2020年2月7日付(日本時間10時30分)に米国科学雑誌「Journal of Neurology」(電子版)に掲載されました。詳しい内容は下記外部リンクよりご覧ください。
(画像はイメージです)
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