認知症があっても外出できる社会のために
認知症があっても外出したい―
このような願いを叶えるためには、実際にどんな対策が必要でしょうか。
認知症介護研究・研修東京センターでは、2019年12月に「認知症になってからも安心して外歩きを楽しめるまちづくり全国フォーラム2019」¹⁾を開催しました。
- この記事の執筆
認知症があっても外出したい!
認知症があっても一人で外出したい!という方はいらっしゃいます。「家にいるのは窮屈だ、出かけたい」「出かけるのには目的がある」という気持ちもあると思います。
しかし、家族の立場からみると、「外に出たら危ない」「戻ってこられなくなるのでは?」「迷惑かけたら困る」など、認知症の人を守りたい理由から、一人での外出しないようにしてしまう場合もあります。
認知症で行方不明になる人は?
一方で、警察庁の「平成30年における行方不明者の状況」²⁾によると、認知症で行方不明になる人は年々増加しています。
地域で取り組む「見守り・SOSネットワーク」
認知症介護研究・研修東京センターでは、「見守り・SOS体制づくり基本パッケージ・ガイド」³⁾にて、北海道や新潟県など地域で行っている実例を紹介しています。
具体策として、認知症の方が安心して外出するためには、日ごろから関心を寄せる・普段の声かけ⇔いつもとのちょっと違うな、という気づき⇔連絡先を知っておく・顔なじみになっておく⇔専門的な支援(医療・福祉・介護・保安・法律等)の関係を築き、支えあうことが重要と述べています。
また、一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)⁴⁾では、「認知症基本法案に関する期待と要望(2019年10月)」の中で「どこに住んでいても、認知症とともに希望を持って生きていくために。」という要望を挙げています。
認知症があっても地域で暮らしていく環境づくりは、地域で生活する私たち一人ひとりの取り組みが大切です。その具体策として、日ごろからの見守りや、困っているのかな?という気づき、「どうされましたか」と声をかける、などできることから始めてみませんか。
参考文献:1)認知症介護研究・研修東京センター.認知症になってからも安心して外歩きを楽しめるまちづくり全国フォーラム2019 ~行方不明にならずに、無事にわが家に帰れるまちを一緒に!~(2020年1月14日アクセス)
2)警察庁生活安全局生活安全企画課.平成30年における行方不明者の状況(2020年1月14日アクセス)
3)認知症介護研究・研修東京センター.見守り・SOS体制づくり基本パッケージ・ガイド(2020年1月14日アクセス)
4)認知症基本法案に関する期待と要望(2019年10月)
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