AQU総研、最先端・脳波ビジネスに関する調査報告書

2019年11月27日

BCI市場10%超の成長

株式会社AQU先端テクノロジー総研(千葉市中央区)は、調査報告書「最先端・脳波ビジネス、BMI、BCIの開発動向と市場予測 - 簡易脳波計ヘッドセット、ブレインテック、人間拡張技術が創る未来市場 -」をまとめました。

調査報告書によると、ブレインコンピュータインタフェース(BCI)の世界市場は、10%超の高成長が続き、2025年には、2,500百万ドル規模に達するとしています。また非侵襲型のウェイトが高まる中で、脳波計ヘッドセットは年率13~17%の市場成長が予測されています。

最近では従来の医療機器と比べ充分活用できる計測精度を有するパッチ式やシート式などの脳波センサ(簡易型脳波計)なども登場し、今後、医療ヘルスケア、睡眠、教育、マーケティングなど幅広い用途に浸透していくと予測しています。

関連のビジネスモデルも進化しており、高齢化社会にあって、症状ごとの脳波パターンから、たとえば認知症予知診断などで専門医と連携したAI解析クラウドサービスなども将来的に広がっていくことが示唆されました。

認知症予防診断(アプリ)に需要

会社員、公務員など2,100人を対象とした意識調査では、簡易型脳波センサー(脳波計)、ブレインマシンインタフェース(ブレインコンピュータインタフェース)について、その利用用途として、どのような分野に関心があるかを質問したところ、「認知症」(68.1%)が最も多く、続いて、「うつ病、統合失調症」(58.9%)、「ストレスチェック」(57.3%)、「睡眠判定」(54.7%)、「発達障害」(53.0%)、「集中力養成」(51.4%)、「効果的学習」(50.2%)となりました。

「認知症」への関心は特に高く、簡易型脳波計の「認知症予防診断(アプリ)」について、将来的に、「使ってみたい」と回答した人は、全体で46.3%、50歳代では49.5%、60歳以上59.6%と、高齢者になるにつれて欲求度が高くなっています。

簡易型脳波計の果たす社会的役割が増していく

脳波に関する特許登録(2000年以降)では、パナソニック、ソニー、フィリップス、富士ゼロックス、NTTなどの大手企業が多く登録していました。脳波計(2000年以降)では、パナソニックがダントツ。続いて、産業技術総合研究所、島津製作所、情報通信研究機構などでした。最近の顕著な動向としては、脳波計測による意思伝達装置「ニューロコミュニケーター」を研究している産業技術総合研究所やマツダなどが順位を上げています。

同総研では、「高齢化が進む中で、病院診療のあり方も変わろうとしており、在宅医療重視の動きが見られる。その意味でも、簡易型の脳波計は、体温計、体重計、血圧計などのように、将来的に家庭に大きく普及してゆく可能性がある。とくに、高齢者の場合、認知症予知診断に関心を示している点が注目される。いつでもどこでも脳波を解析できることで、簡易型脳波計の果たす社会的役割が増してゆくと考えられる。」としています。

(画像はイメージです)

外部リンク

最先端・脳波ビジネス、BMI、 BCIの開発動向と市場予測


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